Dkn さんの感想・評価

3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

洒落た雰囲気に繊細な人間描写。不遇の秀作。先が見たかったアニメ。

最終回付近がザンネンなのは置いといてそれ以前に気になる部分がありました。

制作会社の倒産により辛酸を嘗めた言わずと知れた不遇の秀作。特殊な生体をした人達の闇社会を描くストーリー。

正直、状況が悪かったこの手のアニメを叩くのは気がひけるのですが、最終回付近のザンネン感はともかく、
それ以前に少し苦手だと思ってた部分があって、好きな人からするとそこが良いのに！って箇所かもしれない？

好みの問題としてここがちょっとなと思うのが、本作の男性キャラは男から見た時の憧れになりにくい気がしてた。
パーソナルスペースの近い幼なじみ同士が親友として家族として、お互いを気にして労って壊れ物のように扱う。
ともすれば異性であったなら運命の相手というくらいに。二人は家族以上に家族なんで作中で納得はしてたんです。
けれどハードボイルドというジャンルでの好みでは無いし、気になってしまったゆえに魅力を削がれた気分だった。

これはあくまで「マフィア」「シリアス」「ハードボイルド」などの自分の理想が固まってる題材だからです。
普通の日常やギャグアニメなら全く問題ないし耽美系の作風の、「銀河英雄伝説」などなら全く無問題ですね。

欲を言えば互いを多少嫌悪しているぐらいの距離感がよく、あぶない刑事のタカ＆ユージがボーダーライン。
映画で言えばスカーフェイスの兄貴と弟分くらい。ギャングのくせに（？）女も抱かねえし全然オスを感じない…。

難しい所はここですね。視聴者に寄せると映画や小説ほどの暴力や醜さやダーティーさが必要ない場合もある。

さらにこのアニメではマフィアらしからぬ二人を見守る事こそが魅力なので相反していたのでしょう。

最初から私が悪いのですねｗ

マフィアは夜店の射的感覚でミンチに！裏社会に生きるジェントルメン達(ﾟ∀ﾟ)ﾂﾏﾘ、ﾄﾞｳｲｳｺﾄﾀﾞｯﾃﾊﾞﾖ？　
ですが、このようにリアリティを消してるからこそのアニメだとも言えますからそこは好みなんですよね。

超能力バトルに近くて、このあたりの設定をもっとブラックで鮮烈に描いていればもっと良かったなとも思います。

しっくり来なさはありましたが、ミスマッチな温かさと、常に薄ら暗い路地裏メインのストーリー展開は好きです。
ギャング関係の話は右から左に抜けてましたが音楽やスタイリッシュな戦闘がカッコよくて、少し入るファンタジー
要素も先が気になって観ていただけに、ほんとに勿体無い作品だったと思う。他の会社で続けてくれないかな？