明日は明日の風 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人と人の形をしたモノとのボーイミーツガール
【前半を終えて】
原作未読
近未来、人口減少した社会で超高度AI人型ロボットがそれを補っているという前提。まぁ有りがちなSFって言ってしまえばそれまで。猫型ロボットがいてもおかしくない。
{netabare}主人公であるアラトの前に現れた美少女のロボット(HIE)のレイシアが、実は5体しかいない謎のHIEの1体で、契約したアラトがさまざまな出来事に巻き込まれていくという展開。そのなかで、アラトはレイシアをモノではなく。ひとりの女性として好きになっていく。
レイシアと他の4体との抗争、アラトと遼とケンゴの友人たちの葛藤と友情、3人の妹たちの話、親、会社、社会といった細かい設定も見所のひとつ。{/netabare}
全体的な内容はとても興味をひき、面白く感じます。が、いまいち人気はありません。それは点と線がうまく一本に繋がらないのが原因かと。いろいろ盛り込んでいるのであちこちに視線がいくため、どうしても盛り上がりに欠けてしまう気がします。アラトとレイシアのほのぼのした愛情物語があれば、いきなり大事件に巻き込まれたり、他のレイシア級と友人たちの巻き込まれ方とか、どんどん広がっては、収縮してしまう。その繰り返し。
とはいっっても、自分はけっこう気に入っている作品なんですよね。レイシアとアラトの関係、最後はたぶん…という方向に向かっていきそうな感じもちょっと切ない。まずは最後までじっくり見ていきたい作品です。
【視聴を終えて】
途中から「これ、どう終わらせるのだろう…」と心配するほど総集編を入れてしまい、ラストは別に作るという結果になってしまいました。
紅霞の特攻から話が大きく展開し、レイシアの真実に至るまでの流れは本当に面白かったです。前半の無駄に感じたレイシアの行動やアラトとの日常がそう繋がっていたのかと、感心です。単に戦うだけでなく、裏で動いたり、話し合いだったり、ちょっとした政治的な話まで織り込んで、この作品の世界観を楽しんで見てました。物語全体については、ファイナルの方に書き込もうかと思います。
それにしても、本当に残念なのはこの2クールで終わらなかったこと。いろいろあったようで大変みたいでしたが、そのせいで作画もかなり厳しいことに。レイシアのキャラデザイン、原作の絵をとても気に入っていたのですが、残念なことにあそこのまでの表現はできなかった感じです。
総集編を重ねましたが、作ったスタッフは優秀だと思います。4回あった総集編を見るだけで、この話の大筋どころか、相関関係や世界観まできちんと分かるように作られていました。ファイナル前に、あの総集編と残りの総集編を放送してほしいなと思います。これから見ようと思う人にはお勧めな内容ですし。
作中の作画はあれでしたが、前半も後半とも、OPとEDは曲も絵もとても良いです。特にOPの曲は2曲ともかなり気に入っています。
とにかく、残る話、待っています。
【最終章を終えて】
評価を若干あげました。
近未来の超高性能Androidと人間の世界。はたして、人間の役割とアンドロイドの役割とはなにか、さらに先にいくにはどうしていけば良いのか、それを問いかけた内容でした。最後は主人公のアラトとヒロインのレイシアとの関係が大きくか関わっていくのですが、最後に至るまでの流れは面白かったです。人とアンドロイドの恋愛感情をうまくコントロールし、物語を構築していきました。単にボイミツにしなかったところがこの作品の良いところです。
レイシア級たちの絡み、ケンゴとリョウ、エリカ様、妹たち。もっと深く描けたであろう人物たちの設定は見事です。なので、登場と展開で絡みが少なかったのが残念。2クールでは足りないというのが正直な感想です。4クールくらい描ければもっと面白かったろうと思います。