saiha さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ジブリの中ではマイナーだが割と好き
高畑勲さんが亡くなったのを受けレビューを書こうと思いました。
火垂るの墓といい高畑勲作品はメッセージ性が強い作品が多い印象があります。
本作のテーマは環境破壊です。
宅地開発によって住処を奪われつつある狸たちが、持ち前の変化(へんげ)の能力を使ってなんとか人間に対抗しようとする物語です。
狸たちは手を変え品を変え人間を追い出そうとするのですが、うまくいきません。
途中で3匹の賢者的な狸に頼るのですが、一人は戦果も挙げられないまま殉死、一人は絶望の末新興宗教を拓き現実逃避、一人は人間界に溶け込む道を選び・・・と、全く歯が立ちません。
結局動物は人間には敵わない。共存してひっそり生きていくしかないんですよね。
なんともやるせない。
90年代前半ごろにはこのようなアンチ環境破壊的な作品がたくさんあります。
それも最近はすっかり見なくなりました。
結局環境問題も人間にとっては一時のブームなんですよね。
動物たちにとっては死活問題なのに。
その辺を考えても人間には敵わないな、と思うわけです。