アベベ晴明 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
藤巻ェ・・・
完走。そしてまとめ
試合のシーンはやや、いやかなりビミョーなところも散見されたが、心理描写は濃厚だった。登場キャラの背景をあれこれ考えるだけで楽しい。食い詰め者たちの綱渡りって感じはけっこー表現できてたと思う。
最終回はやけにほんわかした感じだったのが場違い感拭いきれないけど、要するにノーサイドを表現したかったのだろうか。けっこーリキ入れて見てたのでもっと感慨あるっちゅーか、見てるこっちがアゲアゲになるラストにして欲しかった気もするけど、その精神は尊重しておきたい。まあ、丈vs力石と違ってソリが合わないわけじゃないという布石もあったしね。
勇利は死ななかったが一生車椅子生活なのだろうか。まあアラガキの件のように白都ギアほど洗練されてなくてもおの世界の義足の技術があればどうとでもなるのかな。まあ、原作の力石が死んだのは設定ミスの辻褄合わせだったわけだし、またそんなメタでアホみたいな都合で人殺しになってしまった丈がマジで不憫だったので、妥当な落としどころなのかもしれないが。でも対戦相手を不具にしたらやっぱりジョーとしては引きずるんじゃないの?かといって勇利が五体満足だとそれはそれで・・・そもそも勇利がギア外さなければ一番すんなり行きそうなんだが、減量シーンの代用として、そしてオマージュとして欠かさざるものだったのだろうか。せめてリハビリ中くらい言ってくれれば見てるこっちもここまで悩まずに済むんだけどな。でもそれだとやっぱり軽いのかな・・・嗚呼。
最終話にきて、あちら立てればこちら立たずに陥ったような気がする。
しかし、主人公とライバルがどちらも健在で生涯のライバルとして戦い続けるエンドでは「熱風の虎」もあるから、その点ちょっと思考硬直だったのではないか。
楽曲面ではmabanuaが凄かった。JBが提唱した「楽器は全てドラムと思え」みたいな極端さはないけど、こんなに野趣に満ち溢れた力強い曲を書ける人が居たのかと少し感動した。
面白かったシーンは2話で南部が拉致られて藤巻にクッキング恫喝されてるあたり、3話で南部がジャンク屋のアニキにあれこれ注文してるあたり、6話でアラガキが試合後に半分ゲストキャラのくせに浪花節きかせるところ、7話でサチオに脇腹打つべし!されてるシーン、8話で藤巻と作戦会議してるシーン、10話で藤巻がアンニュイな顔みせながらカエルとサソリるシーン、11話はまあ、とりあえず藤巻出てれば・・・て、そもそも藤巻の存在感だけで何とかなるような感じがあるな。12話はやっぱり糞じゃないクソラップのシーンかな。情感もあったし二人のシャドーは試合の時よりむしろ動いてたし。
・・・新しい時代のジョーを作り出すというのが目標なんだろうけど、その点では充分果たしたとはちょっと言いがたいかな。でもその真摯な気持ちは感じられるおかげで多少のビミョーさも「しょーがないなあ」て感じで許せてしまう。
まあ、見て良かったですよ。でも格闘の描写は次からもっと頑張ってほしいです。