りびんぐでっど さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
胸糞注意。だけど色々考えさせられる。
原作は未読。
タイトルからまったく別系統のサスペンスかと想像していましたが、こんな話だったとは。
突拍子も無い設定を現実世界にそのまま当てはめた思考実験的なSF。
普段は意識しない「自分」という存在や「命」について考えさせられる。
殺す(奪う)ことによって、もしくは救う(与える)ことによって確認する「自分」という存在、「命」のあり方。
一見相反するようにみえて実は根は一緒、ということか。
悪意と善意は表裏一体。
その衝動、可能性を極端に表現したストーリーはなかなか見応えがありました。
これだけの「力」を持つ者たちの物語にどうオチをつけるのかな〜、と思ったら、まぁ、そういう要素を入れるしかないよね、って展開で、一つ間違えれば陳腐になりかねないものではありましたが、うまく着地させたかと思います。
原作ではどうかはわかりませんが、「自己認識」や「生命の在り方」についての考察はあまり深くは掘り下げておらず、多少物足りなさを感じましたが、限られた中で作品を完結させるには致し方なかったのでしょう。
作画のクオリティはCGの使い方などを含め全体的に高かったかと思いますが、キャラの顔は原作に忠実にしたためか、泣き、怒り、などの極端な感情の時の表情は作れていたと思うんですけど、微妙な変化は乏しかったような気がしました。
そういった意味で、感情の微妙な揺れ動きがもう少し丁寧に描かれていても良かったかな、と。