Dave さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
改めて見返しても、やはり傑作だと思う。
1. 10年後のホビロン
もう10年も経つんですね、緒花はいくつになったかな、ミンチは立派な板前になったかな、おかみさんはまだ元気にしてるかな?僕にとって、あるいは最も思い入れのある作品かもしれません。それまでアニメにあまり興味なかったし、まさか「聖地巡礼」なんてやると思わなかったし。
2. ストーリー
話としては、東京に住んでいた普通の女子高生が、ひょんなことから金沢の山奥にある温泉で住み込みの中居になるっていうお話です。はじめておばあちゃんに会えると期待して行ってみたら、老舗旅館の厳しい世界。同い年のアルバイト従業員もいるんですが、都会のバイトのようなキラキラふんわりは全然なくて、理不尽なまでにストイックな修行生活…でもそんな状況に折れずにメキメキと頭角を現していく、普通だけど規格外の主人公。
3. お仕事
この作品は、社会人の方にお勧めしたいですね。私も「仕事」について初心を思いださせてくれました。これ、新入社員の時にも視たかったなあ。もちろん、おっさんになった今だって「頑張ろう」と思わせてくれます。
「職業に貴賤はない」なんて、標語としては立派ですが、やはりどこかでいい仕事・悪い仕事、上の仕事・下の仕事って意識しちゃいますよね。でも本作の主人公、緒花を見ていると、どんな仕事だって、本気で取り組めばキラキラと輝くんだなって改めて思わせてくれます。そして役職も与えられるものじゃなくて、仕事ぶりに役職がついてくるんだなとハッとさせられます。
4. 規格外のエンジンでぼんぼる
本作は10年経って視ても、ちっとも色あせていません。画もきれいだし、キャラクターもいいけど、何より骨太でどこまでも真っ直ぐなストーリーが今も輝いています。主人公のひた向きさ、エンジンの大きさにやられましたね、何度泣いたかわからない。
徐々に頭角を現してくる祖母・母の血統を継ぐエネルギー。
妬まず、恨まず、諦めず。
どこまでもまっすぐ、トラブルやハードルに真正面から正攻法でぶつかっていく緒花。ミスをしたら潔く謝って、卑屈にならずにまた挑戦を続ける彼女。そんな主人公に、一癖も二癖もある周辺のキャラクターたちも、いつの間にか緒花に巻き込まれて一緒に走り出していて、同じように自分の仕事に全力を出していく。こんな子がいたら、(人間的に)好きにならないわけない。
おばあちゃんも、なんだかんだで孫のことを一番信用しているし、孫が大好きなんだね。
僕が心の底から好きな作品です。