ei さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ヴァイオレットの物語
自動手記人形として依頼人の元に訪れ、手紙を通し様々な愛に触れることでヴァイオレットが成長して行く物語でした。
一話完結の依頼人たちと彼女のやり取りは、綺麗な映像が後押しして涙を誘うシーン、彼女が成長していくシーンはとても満足できるものです。
彼女が様々な愛に踏み込むために "少佐の死" を乗り越えるお話があります。
乗り越えるためには彼女が自分自身を愛する、少佐の命令に従うだけの道具から自由に生きる人間へと変わらなければなりません。
ここで彼女は手紙を通して思いを届けることを決意し"少佐の死"を乗り越えることに成功したはずでした・・・
しかし11話、終盤での彼女は手紙を届けるために戦場に飛び込んだり、人を傷つけることをためらい死にかけてしまう場面がありました。
その姿はあまりにも感情的で”少佐の死”を乗り超えたはずの強い彼女はどこかに消えてしまいました。
人を傷つけたくない、殺したくないという感情に縛られる少女に成り果ててしまいます。彼女の成長を描いていたはずなのに、なにを信念に彼女は生きていくのか視聴していて分かりずらい最終回となってしまいました。
この作品にとってヴァイオレット以外の人々は付属品でしかない。彼女がつけている義手のように構成するひとつでしかない。彼女がすべてと思って視聴をしてきました。
彼女が本当の意味で自由になれたのか、成長することができたのか確信をもてない最終回になっていたのでとても残念でした。
全体を通して観るとそこまで悪くない作品だとおもいますが、名作と呼ばれるにはほど遠い作品でした。