毒舌Z さんの感想・評価
2.1
物語 : 1.0
作画 : 4.5
声優 : 2.0
音楽 : 2.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
意識高い系なろうアニメ
気分を害される方もいるかもしれませんが、ここは個々の評価を書く場だと思いますので。このアニメを大好きな方は、私の感想は見ない方が健康上よろしいかと。
「名作の予感」ですか?には「はい」としましたが、「名作」ですか?には、迷いなく「いいえ」にしました。
創作物は無から有を作るんでしょうから、制作者さんのご労苦は相当なものだと思います。ですから多少は設定の矛盾、強引さや不合理はあるものと思っていますが、ここまで前提となる設定を気にもしていないような創作物は、そうは見かけません。
余りの酷さに長文に…
これは酷い。
{netabare}俺tueeeに代わる新ジャンル、私tueee。
身体能力もタイプ打ちも天才で、代筆も結局才能あり売れっ子、皆から気にかけてもらえるヴァイオレットちゃん。凄いですね。メアリー・スーか、なろう系のような。
多少ならアニメですし、現実にも優秀な人間はいるよねとは思えますが、唐突な例外一人を除いて他の人物は普通なのに、彼女だけ明らかに人間離れしているのは余計です。
何でそこの、何者なのか説明がないんですかね…
リアル系格闘技漫画で1人だけかめはめ波とかで勝ち進んでいるのに、説明が無いまま話が進んでいるような感じです。
この制作者があの大ヒット映画を作ったら、主人公が義手で隕石を弾き返していたでしょうね。「前前」でなく「みぃちぃしぃ~るべぇ~」をバックに。{/netabare}
その散々他所でも言われている義手{netabare}も、一応私もツッコんでおきます。
あってもいいんですが、なぜ彼女“だけ”あんな物を持っている? 誰かが作ってくれたにしろ、彼女との関係や提供した理由は? そこが無い物語も、ある意味斬新かもしれませんね。{/netabare}
他にも雑な点が多過ぎます。
登場人物(国家組織)に「何故そんな馬鹿な事を?」という点が多く、感情移入する間が無かったです。
名人のつもりかのような勿体付けた面恰好で、指す手指す手がベタなだけならまだしも、ドヤ顔で悪手を指しまくる将棋を見せられているようで、話(棋譜)以前の問題でした。。
5話{netabare}の婚姻の話は、お姫様の国は同盟国とはいえ他国の企業に依頼、までは、まだ許容できました。
しかしまさかお相手は、つい最近まで敵同盟側の元軍人の企業に依頼。しかもなんと12話から振り返ってみると、同盟国は和平すらなっていなかったことが判明。王子の国はホームラン級の馬鹿しかいない国なのか…
せめて大陸間戦争なんて大風呂敷を広げず、単純に2国間の紛争程度にしとけばよかったのに。制作者さん、大陸間戦争だの北東 南西の同盟連合の設定、覚えてます?{/netabare}
細かい所でもあると思います。ですが、少しづつ制作者の姿勢が見えてきていたんじゃないかと思っていました。
5話といえば、主人公と大佐{netabare}の出会いから部下になった経緯からよくわかりません。
ナルシストなだけが取り柄の大佐が、大怪我を負わせることなく生け捕りにして、今は味方に?中間を端折り過ぎです。
水泳でも、もし敵チームの人間が前振り無く主人公チームの泳者としてフリーに泳いでいたら、あれ以上に炎上していましたよ。
明かしていく気無いなら、あんな出会いのシーン要ります?
それとに大佐は、一々気取った言い回しが気持ち悪いです。{/netabare}
その他、文明の発達具合や識字率、経済も、いいです。{netabare}両腕千切れてもタンスの角に小指をぶつけたより余裕があるのも、自殺しようとした方法も「かまってちゃん」みたいなのも、会ったことのない依頼主を一目でわかるのも…もういいです。
おかしな点を挙げればキリがないので。{/netabare}
そして最終話付近で制作者の姿勢が顕著に出ていたと思います。もっと早くはっきり示して 欲しかった。場面場面だけ見たら細かいかもしれないですけれど、全然話の芯が通っていないんですよね。
本当に軍人かと疑う戦術や、戦闘描写諸々。
{netabare}重要といっておきながら特使の警護を佐官に丸投げして、重要視しているのかいないのかさっぱりです。まぁ和平すらなってない段で「特殊部隊解散しちゃった。テヘッ。」とか言っていたので、国家でなくチンパンジーの群れだったのかもしれません。
敵、走る汽車の屋根の上で普通に立っていたり平然と会話までしていましたよ。トンネル内でも。
それでも、ようやく彼女の能力に対抗できる“敵”が出てきたのかと期待しましたが、戦闘力は普通でしたね。銃を持ってるのに殴りかかったり、乱戦になってからようやく撃つ類人猿でしたが。
機関車のブレーキを、敵自身も乗っているのに壊した理由とかも、そう行動の意味(敵の作戦が成功していたら)を制作者は考えていないでしょうね。
というか、13話で大佐が機関室に乗り込んで「緊急停止」って命令してましたけど、12話で機関士は敵に殺されたのでは? あれ、誰だったの?
なお、ハイヒールブーツを履いていて捻挫した貧弱と思われた配達員が、最終話で急に超人に。捻挫の場面何故入れた…
そんな中主人公は敵が仕掛けた爆弾の場所と数は2つだけだと知っており、実はスパイだったようです。配達員も「もう一つの爆弾」と言われただけなのに、真っ直ぐ爆弾にたどり着きましたし、彼もスパイでしたね。
そもそも敵は匂わすだけで、爆弾とすら言ってなかったのに。スタッフ誰もおかしいと思わなかったのか。言ってませんよ? 制作者、覚えてる?
「ふはは、爆弾を二つ、どこそこに仕掛けてやった!」と敵に言わせておけば、見ている方も「敵“も”馬鹿で助かった」と納得するのに。
あの場面が夜だったのも最悪に拍車をかけましたね。夜ですよ? 夜。 おい制作者、覚えてるか? そこまで彼女達は超人なら、最早別の生物なんでしょう。
それか最早彼女と配達員はロボットだったという設定にして、赤外線で爆弾にズームする目線のシーンを入れるしかなかったのでは。
そして国の命運を民間に…
調印式の前段階の会議で速記でもするのかと思ったら「和平書簡の取り交わし」とか言ってたようですが、わざわざ調印式の場で民間人が作って取り交わす「和平書簡」てなんだろ? 自動手記人形の情緒豊かな文章が、必要な場とは思えません。{/netabare}
考えて無さ過ぎです。思い付きでやり過ぎです。処理する能力もないくせに、他作品にインスパイアされた設定や話を入れ過ぎです。やることやってから気取ろうよ。
設定を忘れたのか自身で作った設定が理解できなかったのか知りませんが、設定って大切ですよね。
少年漫画原作の鋼の錬金術師でも、最初の設定から考えて錬金術師を国家資格にしたことにより、基本国がやることでも主人公が自然に絡めていました。
この制作者との格の違いってやつを見せつけられたようです。
絵画でなくアニメなんですから、作画を美麗にする事ばかり考ず、他もやることがあるでしょう。昔大河ドラマで「映像をわざと暗くして重厚っぽい作りに」というのがありましたが、そんな小賢しさに似ています。
泣き顔を見せれば視聴者も泣くだろうと、安く見られているのでしょうね。
と、書きましたが、上記の(他にも多々あった)おかしな点に一言でも台詞だったり過程を示唆するのシーンやカットがあれば、それが強引な理由でも私の感想も違ったものになっていたかと思います。
何もないから「意味不明」な話になるんです。
都内に住む女の子ヴァイオレットちゃんは、神様の手違いで命を落としたお詫びに、義手とともにチートな能力を与えられて転生した、とかでも今より遥かにマシです。
恐らく大した考え無く作ったから制作者はおかしいと感じておらず、説明もクソも無かったのかと思いますが。
何か、鍵があってそれで視聴者が想像するのを、この作品は視聴者が、制作者が作らなければいけない鍵の部分も補完しなければいけない作品のようです。
さらに第10話が、私はこの作品の中でもかなり低評価です。
{netabare}内容は実話も含め何度も聞いた話ですし、それを自分が思いついた話にしなければと「新しい母親ができるまでビデオレター」とか「成人するまで手紙」等でなく「50年間代筆の手紙」としたのでは、と勘ぐってしまいます。
「新しい母親が」や「成人」は子にとって大きな転機ですが… なぜ50年?
“何となく長い期間”以外、あの作品の中の平均寿命をイメージしたとしか考えられませんが… 人其々でしょうが、私は我が子の死は想像したくないですし、ましてやもし自身が死ぬとなったときは、自分の分まで、老衰で死ぬまで人並み以上に生きてほしいと思うでしょう。あの母親は「50年後なら、そろそろ死ぬかな。」と思ったように見えて、全く共感できませんでしたね。
他の作品の作者も、だから一生とかでなく人生の転機までにしたのでは?
ただ、あの子は7歳だそうですが、58歳という中途半端な年齢で届く最後の手紙はどんな内容か、この作品の中でそれだけは興味が沸きます。
ラストも、この作品はヴァイオレットちゃんの成長物語だという締めかもしれませんが、枝の部分でも光る演出も見られませんでしたし、親子の話はテンプレをなぞっただけでしたね。そんな話を堂々と作成して、恥ずかしくないのかな…{/netabare}
良い点は言われている絵が綺麗な点で、まるで名作映画のようです。戦闘シーンはB級、人間描写、特に大佐とのやり取りはC級映画のようですが。
それに、こんなガバガバな設定やストーリーだと作り込んだ作画が浮いて見えたので、私は満点だとは思いませんでした。むしろ、あえて作画レベルは下げるべきだったと思います。
{netabare}あ、「少佐は生きていた」というのがなかったのは、本当に良かったと思います。あれで生きていたら、戦死した兵士は貧弱だったのが悪いみたいですから。
…まさか生きてないですよね?{/netabare}
声優さん、主人公以外は良かったと思います。
主人公は… 合っていないのか、特に感情を出すときの演技に凄く違和感を覚えました。サブならともかく、主人公なので結構マイナスだと思います。
そしてエンディング… あの歌でもいいとは思いますが、他の人に依頼するべきだったのでは?
歌われている方のキャラは、アニメオリジナルだそうですね。制作者の勝手といえばそうですが、何か起用の理由があるんですかね。
私は「よくこれを世に出せたな」と思います。
意識高い系のように、見た目ばかりに拘っているアニメだと感じました。
テーマの愛してるといえば、制作者は作品そのものに愛情を持っておらず、自分の描くオシャレなシーンを愛していただけでしょう。
制作会社によって手放しで絶賛すると、長い目で見ると毎回こんな設定を詰めない駄作メーカーとなり大きなマイナスになると思いますので、この評価です。
大賞だとか全世界配信だとか大きく出ていたので、どこかでこちらも身構えての評価込みになっているのだとは思いますけどね。
2018.9.12
打ち間違えや、本筋は変わってませんが表現を修正しました。