Dkn さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
子供向け?うそだ~。 あと、題材に相まってデザインが怖いw
コウテイペンギンの世界は
歌で求婚する。
“心の歌”を歌えなければ落ちこぼれ。
そこに生まれた『歌えないペンギン』
それが“マンブル”。
本作の主人公である、
綿毛のペンギン。
ペンギンは卵から孵る時
くちばしで殻を破り出てくるが、
彼は足から出てきた。
歌は歌えない・・
でも、生まれた時から
踊ることが大好きだった
南極の過酷な環境で
生きる一羽のペンギンの物語。
《ネタバレ無し感想》
ホントのコウテイペンギンは
心の歌で求婚するなんてこと無いです。
ストーリーとしては明るく楽しいミュージカル調なものを扱っていますが、本質は陰鬱な題材である本作。
アメリカのヒエラルキーやスクールカーストを表すスラングでナード・ギーク・ジョックなどの分類があります。
映画や小説ではたびたびこの題材が扱われ、これらの単語も学生が主役の映画でよく聞くことがありますね。
実力社会であり、髪の色、目の色、肌の色、生まれ、身体的特徴、身体能力、学力、精神的な弱さなど・・。
差別の蔓延する国アメリカでは、子供の時からランクが決定づけられ、迫害の対象になることが根強い問題です。
本作の主人公は生まれた時に幼なじみの女の子“グローリア”にマンブル(モゴモゴ君)と名前を付けられます。
彼女からすると子供の素直な表現をしたにすぎないのですが、常に差別的な空気を纏うこの作品では、
モゴモゴ君という、ある種差別にも聞こえる単語が“しこり”として、観ていた私の中で残ってしまいました。
他にも人間社会におけるアンチテーゼのような場面が多々あり、それに関して多少なりとも論争があるようです。
本来の意図は、差別を受け、認められない境遇からの脱却。閉鎖的な世界をぶち壊すための伏線に過ぎません。
それでも…暗い題材だなぁと思ってしまう。
大人が自分たちや社会が抱える問題に対して重ねあわせ、娯楽作への思考を複雑にしているだけなのかもしれない。
“感動”は薄れてくるんだと歳を重ねる度に思う…なんて聞いた事があります。ですがそれは感動へのバイパスを
通してしまい、感動へ辿りつけない、もしくは辿り着く前に疲れてしまっている。たまにそう思うことがあります。
物事を楽しもうとする事は、養われていくと同時に最適化され、否定的な先入観を生んでしまうのでしょうか。
観ている自分自身が、そんな考えしかできないのか?と少し落ち込んで来てしまうような気さえしますね。
(どう考えても作り手側が問題提起し、作品の中であからさまな表現を使ってくるのでこっちは悪くないけど)
楽しむ力について考えてしまう大人。(私)
でも、ハッピーフィートには一応の解決方法が。
“吹き替え版”だと軽減されます。
お堅い翻訳をやめ、手越祐也の声を聞くのです
手越くん、いい声してるのね(笑)
ちなみに、関係なくラストはひどくない?w