ラグマット さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
リアリティは求めない。
リアリティを求める人には合いません。
俗に言う魔法のような術などが出て来ます。
しかし、あくまで架空戦記としてみるならばここまで面白い作品は珍しいと感じました。
というのも、主人公が成長して行く過程を描いているので、自然と吸い込まれるように見てしまいます。
今作の特徴として、基本的にそこまでダークではないという点です。戦記ものとしてはかなりライトで人の生き死にというものに関してそこまで深く描かれていません。
もちろん、これには賛否が分かれるとも思います。戦記と謳うならより重厚なストーリーを求める人も多いでしょうし、かといって大衆受けする訳ではありませんし。
その一方で他のファンタジー系アニメとは違う点も多いです。主人公は最後まで勇者にはなりません。
敵の兵士と1対1なら勝てるくらいの強さで、無双の強さは持ち合わせていません。また、枯れ果てた地を豊かにするような知識も、戦況を覆すような知略も持ち合わせていません。主人公に一途なヒロインもいませんし、ハーレムなんてもってのほか。
むしろ主人公がヒロインに近いという。
しかし、誰よりも真摯でわからないものも理解しようとするキャラでもあります。それ故に魅力があり、力になりたいと思わせる強さを持っています。
今作にはファンタジーにありがちな奴隷という存在が大きく扱われています。アルスラーンが王となって為す目標にも奴隷の解放というものがあります。
しかし、自分で生きることを知らない奴隷を解放したとしてもそこに未来はないという珍しい観点で斬り込んでもいます。
また、戦闘シーンは少ないですが動きも多く、良かったと思います。仲間のキャラ達も全員に見せ場や活躍の場があったのも良かったです。
総評としてストーリー、音楽、キャラクターの全てにおいてかなり高水準なもので、作画も乱れがなく安定していたと思います。
以下ある程度のあらすじ
{/netabare}
主人公のアルスラーンは初め、取り柄はないが優しいというなんともありがちなキャラで初陣で大敗を決めてしまう。信頼していた臣下に裏切られ、父も行方不明、配下のダリューンと二人戦場を離れる。
二人はダリューンの友であり変わり者と呼ばれているナルサスという男の元へ向かう。忠誠を誓うならば宮廷画家として迎え入れるとナルサスに宣言するアルスラーンに父王とは違うものを見出したナルサスは二人に力を貸すことを決意する。
そしてここからアルスラーン一行の反撃が始まるのだった。
{/netabare}