buon さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
狭く 広く 深く 小さい
普通の人には見えないものが見えて
寄せ集めてしまうがためにツライ生活を送って来たチセ。
自暴自棄になっていた彼女は自分の帰るところが欲しくて
その力を理解している人間に競売にかけられエリアスが数億円で買う。
エリアスは数少ない魔法使いの一人で、人ならざるものである。
彼はチセを弟子にし、ゆくゆくはお嫁さんにしようと考えている。
エリアスが生きる魔法の世界は人と同じところにも存在し
重なり、ずれて、すれ違い、触れ合うようなところだろうか。
魔法のあるステキで優しい世界であればどんなに幸せだったろうか。
冒頭から生きた商品としてチセが売られることから始まっている。
エリアスもどこから生まれたのかも分からない存在
彼自身も分かっていないようだ。
離婚し苦しみ続けた母に呪いの言葉と共に捨てられたチセ
どこから生まれどこに行き何のために生きているのか分からないエリアス
ただただ生きることも許されない二人の迷い子。
エリアスは生きて、人に出会ってしまった。
疎まれもし蔑まれもし、助けられもした。
だから興味を持ってしまったのだろう。
人ならざる者が何の気まぐれか弟子を取ってしまった。
チセは少しずつ自分の力を知り、使い方を知る。
エリアスはチセを知り、感情を知り、振り回されてしまう。
知れば、覚えればそれで終わりではない。
山を越えればさらに高い山が、遠くの空が、広がる海が見える。
迷い子は迷ったままだ。
ただ留まらずに足掻きながら進むとき、
そのときを共にした者たちの繋がりは強くなる。
音のない深い海で、光の届かない暗い闇でしか生きられないものもいる。
良く言えば適材適所、悪く言えば傷のなめ合い
それでも前を向いて生きる姿は美しい。
{netabare}
最初の竜の話の様に、ただただ静かに知って広がるような話が好きかな。
この世界は基本、等価交換で、
何か事を為すときに残酷な現実と直面する。
そんな話が多くて気が滅入ることも少なくなかった。
ただ好みとは別で、話自体はなかなか興味深かった。
チセとエリアスとシルキーとルツが、まったりゆったりのんびりする話が、
5話に1話ぐらいあってもよかったかな。
チセの声、他の声優さんと勘違いしてたけど、
落ち着いた感じですごい好き。
4人共、声ええ♪
あの4人がのんびり幸せに過ごせる日が来ることを切に願います。
{/netabare}