空知 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
寒さの中でのキャンプだけれど、温かみを感じられる作品
ストーリーは、単にキャンプしている女の子達を描いた作品ですが、
非常に楽しく視聴できました。
学生時代から山をやっており(集団)、社会人になってからはバイクでツーリングにも出かけ(一人)、どちらも必ずキャンプしていたため、とても興味深い作品でした。
キャンプの基本はきちんと描かれてます。
集団でのキャンプと一人キャンプ。
どちらにも楽しみはありますが、
私自身は一人キャンプのほうが好き。
その理由は、
1. 美しい自然の中に身を置き、集団に縛られることなく自分の好きな食事を作ったり、
時間を自由に使える
2. 孤独を満喫できる(孤独というのは孤立ではなく、時にとても自由で楽しいものです)
3. 夜、都会では見ることのできない満天の星空を見られる場合が多い
4. (キャンプ全てに言えることですが)帰宅したあと、ボタン一つですぐお風呂に入れることや、蛇口をひねると水が出ることなど当然のことが実にありがたく感じるのです。それと、柔らかいお布団で眠れることのありがたみを痛感できます(極楽極楽と言いながらお布団に入る感謝の念が沸くほどです)
などかな。
ですので、志摩リンがソロキャンを好む理由が、私にはよく分かるんです。
ですが、時には友人達とキャンプするのも楽しいことも知っていますから、彼女が少し変化していくさまも頷けました。
友の優しさやぬくもりも本作の大切な要素ですね。
この作品が、私をほっこりさせてくれた理由は、
A. キャンプする季節を、秋から冬という設定にしたこと
B. キャンプする場所を富士山周辺から長野という極めて自然が美しい場所にしたこと
C. 孤独な一人のキャンプと友人との楽しいキャンプを対比させたこと
です。
寒いことと空腹ほど辛いことはありません。
温泉に入ったり、暖かい食事を口にすることは非常に人を幸せにしてくれます。友情と相俟って、食事のホカホカした温かみと幸福感が伝わって来ました。
「寒さ」と「暖かい食事や温泉」、「ソロキャン vs 友達とワイワイ楽しいキャンプ」という対比的な設定が実に良かった。
キャンプの基礎知識や、火のおこしかた、テントの張り方などの解説があったこともグッド。
絵は普通に綺麗です。富士山が背景になっていることが多いのが印象的でした。
4人のキャラクターの個性が豊かであることも、作品の面白みを増しています。
OP,EDともとても良曲。
ただ、無謀だなと思ったのは、
{netabare}
志摩リンが、免許取り立てにも関わらず、50cc(作中で原付と言ってました)のスクーターで霧ヶ峰を経て高ボッチ高原まで150kmも運転。
これだけで体力をかなり消耗しており、寒さで震えが止まらないはず。
しかも、目当てだった温泉が潰れていたという最悪の展開。
夕食を作るだけの体力が残っていないだろうなあ、と疑問を感じてしまいました。
寒さの中での温かい食事やたき火などが視聴者に癒しを与える作品なのですから、
低体温症の恐ろしさを身をもって体験したことがある者からすると、
志摩リンが心配で仕方ありませんでした。
原作者もキャンプのことはよーく分かっているはず。この部分だけはいただけなかったです。{/netabare}