01oinaris さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
エヴァをリアルタイムで観ていた時の戦慄が蘇った
いつの時代も、エポックメイキングな作品は既成概念の破壊と新たな概念の想像によって誕生する。ガンダム、うる星やつら、セーラームーン、エヴァ…etc. 各年代におけるマイルストーン的な作品は、その時代における「常識」を見事に破壊することから生み出されている。
本作は魔法少女物というカテゴリーの概念を根底から覆した作品であり、間違いなく2010年代 (2010-2019) アニメの代表作として、後世でも評価されるものだろう。
アニメを見ていて鳥肌が立ったのは久しぶりだ。エヴァをリアルタイムで観ていた1995-6年を思い出した。(エヴァもロボットSFアニメの当時の概念を根底から覆した作品。)
魔法少女アニメという「仮面」を纏いつつ、登場人物の心情を抉り取ることで視聴者の深層心理を抉る表現は、まさにエヴァと同じ。
{netabare}
魔法少女をエヴァンゲリオンに、その運命を背負う少女たちをパイロットに、魔女を使徒に、キュウべえをNERV/ZEELEに置き換えると、その立ち位置がほぼ重なる。(そう感じたのは私だけでしょうか…?)
{/netabare}
映像表現技法はまさに新房シャフトワールド。芸術です。
用いている音楽も秀逸。ClariS/KarafinaのOP/EDが作品の世界観と相乗効果をもたらしている。
あえて個人的な不満を挙げるとすれば…ストーリー展開が少し明快すぎるところ。
フラグを細かく丁寧に立て、それを丹念に回収しているのはわかるが、そのせいで先の展開が読めすぎる。小生は2−3話目で先の展開が大方想像でき、最終話の展開はほぼ予想通りだった。個人的には、視聴者の想像の斜め上から来るような展開が好みであり、「えっ!その方向に進むの!?」という意外性が好きなので、物語全体の評価はやや辛め。
ただこの点は完全に個人嗜好の範疇であり、本作の秀逸さをを否定するものではない。
結論、2010年代のアニメを語る上で、本作は避けて通ることはできない傑作。好む好まざるに関わらず、アニメ好きを自称する現代っ子であれば一度は見ておくべき作品。