「恋は雨上がりのように(TVアニメ動画)」

総合得点
81.5
感想・評価
719
棚に入れた
3191
ランキング
407
★★★★☆ 3.7 (719)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.7

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ネタバレ

たんたんたぬき さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

文学アニメ

年間最高あにこれランク。これをいつも自分も良いと感じたら評価をつけることにしてる。それとは別に自分の中で個人的な良作をピックアップしている。多分私には癖がある現実的な舞台が多い。それなりの年齢のせいか?ならそれは違う。この好みはもう10年以上変わって無いと思う。昔から、強く感情が動くのは現実的な舞台が多い。だから私は現実的舞台が好きでファンタジックな舞台は好みじゃないと思ってしまう人はいるかもしれない。全く逆私がアニメに期待するのはファンタジックな舞台。

うーん、なんと言うか喜怒哀楽が激しく動きやすいのは現実的舞台だけど、稀にファンタジックな舞台でもそういう感情が湧きあがる作品がある。だからあまりファンタジックな舞台だから期待できないとかは無いし、それとは別に通常私は激しい感情が動くための作品をそんなに求めてない。私がアニメに求めてるのは真逆だと思う。激しい感情はいらないからつまらない気持ちの結果になりやすい作品を避けたいってのがある。

最近不満から書く事が多くなってるのかも。ただこれは不満ではない、終盤になって何か陸上復帰の流れになりつつあり、それについてちょっとがっかりしていた。だって面白い部分は店長との恋で、陸上部分はおまけみたいなものだった。唐突じゃない、でも刺激的になるほどは描写が無い。

これ難しい映画なら良いのだけど、陸上から離れたから恋が始まった。2時間程度の映画なら描写不足より、陸上部の友達とのやり取りをしっかり描いていたので、ストーリーの流れできちんと見れるのだが、1クールのアニメではこの流れで描くと活躍していた時期のあきらの陸上に対する描写が比率的に少ないのがその流れの弱さを感じてしまう。

これじゃ不満だったのか?となるが、これが最終回ですべて解消された。原作はこれが駄目らしいが、二人の関係が終った点をあまり強調しなかった点。これで後味がすごく良くなった。私はアニメオリジナル展開は駄作化が多いので嫌いだが、これは良いなと思う。大体悪いのだが、これはとても良い。だって原作私以外でも微妙に感じる人が多いらしいから。原作だったら私も多分不満だった。なおかつ曖昧に濁すほどはしてない。忘れないって言葉がどこか離れてしまう二人を想像させる。明日からまた会うなら変な言葉だから。

これは評価どうしようか?って境界線上での迷いであって、その土台は全く違う。土台自体は二人の関係が楽しかった。それをさらに厚みを増したのが店長の文学への傾倒だった。店長の趣味が、台詞にも投影されて文学漫画になっていたからが大きい。いやそれだけじゃない、アニメなのか?原作なのか?分からないけど、台詞と映像を組み合わせて、独特の文学臭を作っていた点がとても良かった。

過去青い文学って作品を一部見た事があるのだが、まだ完全にはブレイクしてない堺雅人の解説の部分は面白かったが、アニメに文学は合わないなっておもった点。でもそれは大きな間違いだった。文字によって作られた文学をそのままやっても文学にならないと分かった。漫画として一端絵と組み合わせた世界なら、文学を読んでるのに近い面白さが出せるのを知った。

これによって土台が厚くなって境界線を越えた。後は全体の良さががっかりしないならって最後を見守って、はらはらしていたがしっかり境界線上を越えて終ってくれた。

おそらくこの作品の映像手法は日本映画の手法だと思う。もちろん漫画から来たものだと思うが、それが映画のようになったのはアニメスタッフの力だと思う。この最終回を見てこの作品に限定的だが、アニメスタッフをべた褒めに近い思いを持っていて映像の力がかなり大きかったのではないか?と見ている。

手法としては漫画で可能だが、それじゃ漫画であり、アニメとしての良さになったのは、それを一度邦画の手法に落とし込んだからだと思ってる。漫画はそもそも映画から多くの手法を得ている。それを再度アニメにする時、漫画からアニメにするのではなくて、一度実写的アニメにしてしまってそこに相性の良い漫画をはめ込んだほうが良いと思ってる。最大の勝因はおそらく漫画家とアニメスタッフの感性が邦画的に一致したからだと思う。

これはアニメ的じゃないと感じたのは6話が最大のピークだったと思う。アニメとは何か?ってほどじゃない。ただ傾向として漫画はばらつきがあるが、アニメは大体分かりやすさを重視する。何故エヴァ時代が終わりを迎えたのか?なら、アニメは根本的に分かり易い面白さがあってるからになる。

まず見れば分かるが、アニメの絵は単純化が基本になってて、そもそも漫画絵というのは風刺画の流れがおそらく関わっているだろうと私は考えている。人間と言うのは複雑な生き物だと思う。だがそれを一面だけ捉えて特徴的に表す。それは所詮絵に過ぎないが、それに内容もすべて引っ張られて、アニメにおける漫画絵というのは、内容も含めて分かりやすさが自然と合う。

6話微妙に分かりにくい。もちろん何が?となる人がいるのは否定し無い。だが、アニメらしくないなと私は感じて、それがどこか?考えていて、実写や小説の様な分かりにくさがあると感じ取った。別に私は実写びいきではないなれてはいるけど。多分進撃の巨人のWITだからあうのかな?とは見てる。

キャラデザはそうでもないが、絵が写実的。ならこれさぞ実写映画は面白いだろうと多分ならないと思ってる。映画のどこが悪いか?ならアニメ1クールでも相当つめこんであるらしい、それを2時間以内の映画に収めるなんて滅茶苦茶。二人の関係を見る楽しさがあるのに、それを筋を追うだけのものにしてなんとかなるのか?と思ってる。

漫画の実写化の最大の問題はキャラデザにあるが、私はそもそも長大なストーリーが多い漫画を2時間でおさめようって点で馬鹿だと思うし、アニメだってそれをやったら駄作化する。この作品はアニメとしての良さにも溢れてるが、多分実写で上手く表現できると思う。アニメの否定に近いのだが、私は別に良いんじゃないか?と思ってる。良い作品にするために実写の劣化のような表現であってもそれがアニメとしての最高点なら私はそれで良いとおもってる。

そしてその手法は京アニも多用していて、結局京アニの良さは何か?と言われたら、実写では絶対不可能なアニメ漫画的キャラデザの良さと実写的な回りの映像との融合にあると見ている。この作品も漫画由来のキャラデザを生かせてるんだからそれで十分じゃないかと思う。

ああ、最後に何故月がきれい見なかったのに、これは見たの?まず恋愛物最近見るのが面倒になってしまったのと、後これが特別だったのは主人公が好きになる相手がおじさんですよ?店長に共感しまくり…。

最後と書きましたが、追記です。陸上復帰がぼかしてあるように書きましたが、その後すぐに明確に二人の関係は終った事が分かると書きました。これは矛盾してると思います。それは言葉足らずだったと認めなくてはいけないと思います。真意は、多少考えてピンと来るように微妙に分かりにくく作って、かつ考えればきちんと分かるようにしてある。ここが良いって点です。

これは全体のテーマと重なってると思います。私はアニメ、ラノベ漫画と実写や非ラノベ小説などを比較して前者はわかりやすい特徴があると書きました。これがその1つだと思います。どこが分かりにくいんだ?多分そう思ってしまうあなたはすでに脳が小説や物語なれしてるマニアな部分があると思います。または頭からっぽですっからかんで楽しむのではなく、アニメに対しても身構えてみてしまってる可能性があります。

そういったアニメならではの緩い視聴で楽しむなら明確な陸上エンド(二人の関係の終焉が絡んだって意味の)になってないって意味です。そして非アニメ物語として考えて踏み込んで楽しむなら決して難解な読解を必要とするものじゃなく明瞭に二人の関係が台詞から示唆されてるとなります。

似たような手法の作品で難解さが上ですが俺の青春ラブコメ・・・があります。それと比較するとよく分かると思います。あれよりは受け手にとって明瞭です。

投稿 : 2018/03/31
閲覧 : 207
サンキュー:

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