シン さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
STAND ALONE COMPLEX
攻殻機動隊シリーズTV版第一作目の作品です。
オススメの視聴環境についてはGHOST IN THE SHELLの方のレビューで紹介しているので参考にして下さい。
今作では笑い男事件を中軸としてそれぞれSTAND ALONE COMPLEXと言う主題に向かって集約して行きます。1話構成のものもあれば数話構成のストーリーもあり、最後は中軸である笑い男事件についての真相について迫って行きます。
主題通り公安9課それぞれの個性がまたはタチコマのそれぞれの個体が情報戦のさなか9課としてのチームワークの中でまたは並列化をした中での状況を良く表した主題でした。
少佐はなぜ女性型の義体なのか?バトーはなぜこの時代に筋トレする?トグサはなぜ義体化しない?それぞれ個体としての意識の持ちようがここらへんから垣間見えると思います。
そしてやはり有名な格言を引用したり専門用語を振り回すので予習が必要かも知れません。
「攻殻機動隊はリアルな世界」こんな事を仰る人がいます、確かにこの作品は強い社会風刺と高いリアリティとエンターテイメント性を含み世界に潜り込むと抜け出せれなくとても良い作品です。しかし一歩離れた視点で主題を考えて見て下さい。それは社会悪だけでなく個としてのあり方を視聴者に訴えてます。
何故タチコマは個を獲得出来たのか?9課の人間は何故完全義体化しないのか?笑い男は何故立ち止まってしまったのか?そんな事を考えていたら意思を持たない個に価値はあるのか?と言う問いにたどり着きました。
強い意思を持って一人で戦っているように見えるが、その中身と関係は複雑怪奇に繋がっている。これが僕の導き出した答えなんですがアニメを通してその主題の難しさを痛感しました。