ヒロウミ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
私たちの青春グラフィティは青の淀みと白い激流とともに動き出す。
女子高生が南極に行くにはコレっきゃない!って物語。
今季一番のハイバランスな作品。
10代の子供らしい青春群像劇も1クールでキレイに収まっており、明らかに「嘘」の物語なのだが歳の身の丈にあった思考と行動で納得感が素晴らしい。これぞ素敵なフィクション。
大切な思いや人を想うことの素晴らしさがキレイに現実的に描写されており胸熱な展開にかなり泣かされて1話も見逃せない。
更には南極あるあるも何となく納得してしまう!無知なので何も知らないし行ったことも無いんですけどね!
「しらせ」が何より懐かしい。幼少期に地元の広島でちょいちょい見学したことあったのは海自があったからか。朱色がかったばっちいオレンジ色でぶっ細工な船だったなぁ!としか覚えてないんですけど。
普段飛ばす派のOPEDも作風にしっかりハマったアニメーションでついつい見ちゃう。しかーし!OPのメロディーは素敵なのだが歌手が下手すぎ。緩い印象を与えるために下手な歌手にするなら声優さんが歌えばええわ。絵と声優陣の熱演と丈の合わない歌手でしたね。
きっちり動くキャラクターにキレイな背景は素晴らしくマッドハウスのイメージとは異なるものだった。手描きの手作り絵本なイメージだったのだがこの作品はかなり緻密に作られてますね。ってかリアル寄りにあえてしたのかな。
キャラクターデザインってかキャラクターの白の輪郭は月がきれいと重なるがちゃんと計算されてかかれていそうなので違和感は然程なかった。まぁ月がきれいは汚いだけでクズの本懐みたいに雑なキャラクターのイメージしかないんだけど。
声優陣も豪華ですね。「○○さんらしい」演技よりも役に合わせた演技はさすがと言ったところ。サブキャラクターも物語にグイグイ絡まりモブが居ない。特にアダルトな役の人たちの物語の盛り上げに対する貢献はかなり大きいのではないのだろうか。
と言っても月火ちゃんは声変わらないんだけどね。いのりさんの声が一番ハマったなぁ。
オーバーロード2が3期ありきな物語でぼやっとした展開でパッとせず、バ・エヴァが11話以降ゴミ展開の危機で終始「すげぇ良い」って作品がないときにこの作品は見事に完走してくれた。高木さんはこれぞラノベって感じがするんで今は見る気にならないし。超展開も魔法も転生もないがちょっとだけ素敵な奇跡のある日常を上手く彩り今季唯一昇華してくれたのではなかろうか。
マッドハウスオリジナルの代表格となるべき作品は壊れ世界ではなく作っていく世界。1クールにも関わらず続編不要な終わりの良さは潔く清々しい満足感。良い意味で裏切られたマッドハウスにはこの作品を超えるものを今後は期待してしまうだろう。
今回の評価は花澤補正はございません。