しんちゃん さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
青春、する。
ストーリーに関しては、ほかの方も書いているように文句なしの最高レベル。毎回きっちり笑わせて、泣かせて、最後の最後までさわやかにまとめきったのは素晴らしかったです。
個人的に印象に残ったのは、ヒロイン4人の中でも一番重い過去を負っていた小淵沢報瀬と、それを演じた花澤香菜さんの演技。
ポンコツで極度のあがり症、だが人一倍義侠心の強い彼女の存在によって、「女子高生が南極に行く」という一見荒唐無稽な設定のストーリーに明確な目的という一本の筋が通り、また周囲の大人たちとのやり取りの中に息を殺して見るような繊細な心理的描写が生まれた。でも、それが彼女たちのギャグとドタバタの日常と乖離することのないように、また視聴者に必要以上に重たく感じさせないようにキャラ設定が工夫されていて、12話でその思いの丈を爆発させるシーンが描かれていても、後味にさわやかさだけが残るようになっていたと思う。
この複雑で難しいキャラを見事に演じきった花澤香菜さんは、さすがの演技力だと感心した。(昔は儚さの漂う癒やし系ボイスの声優さんだと思っていたが、今や日本トップクラスの実力派声優になったのではと思った。)
あと、ヒロイン4人のセリフに、記憶に残るような名言(三宅日向の「自称」名言だけでなく!)がとても多かった。
いかにも今どきの女子高生のノリを感じさせるおバカなやり取りも多いが、一方でこうしたスパイスが随所にまぶされ、全体としては「ああ、青春っていいなあ、自分も明日から頑張ろう」と心から思えるような作品になっていたと思う。