STONE さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
止まった世界での闘争劇
原作は未読。
時間モノというと、過去へ行ったり、未来へ行ったりのタイムリープ、タイムスリップ、
タイムトラベルものは多いが、本作のような時間停止ものは割と少ないような。
まあエロ系だと1ジャンルを築いているようだけど(笑)、そういう出オチ的なものはともかく、
時間停止ものは話を膨らませるのは難しいようで、そういう意味では割とよくできた話という印象。
似たような作品が少ないだけあって、どういう展開になるか読めず、割と最後まで先が楽しみな
作品でした。
時間停止した世界での佑河家と真純実愛会の争いが話の主軸で、空間的な広がりこそあるものの、
一定時間に留め置かれているためか、密室劇のような雰囲気も感じる。
あと神ノ離忍や霊回忍など映像的には伝奇もののような雰囲気があるが、その仕組みやキャラの
思考などは論理的であることが多く、やはり時間ものせいか、内容的にはSF色が強いなと。
佑河家にしろ、間島 翔子にしろ、家族のための行動であることが印象的で、全体に家族愛と
いうものを強く感じる。
特に佑河家に関しては父は無職で、長男は引きこもり、家族間の繋がりもあまり良いとは
言えないダメ家族といった描かれ方だったが、本作の事件を通じて、再び家族が結びつきを
強めていく家族再構成といった感もあった。
この家族愛が特に強い印象があったのが主役である佑河 樹里で、特殊能力を持つとはいえ、
家族のためには危険も厭わない、その強靭な精神力は見ていて気持ちいいものであった。
他にも印象深いキャラが多かったが、樹里とは別方向で印象深かったのが父の貴文。
敵である佐河 順治率いる真純実愛会以上にひどい精神性で、ここまで来るともはや
コメディ枠といった感じである意味いい味を出していた。
そんな貴文でも身を挺して孫の真を守ろうとするなど、家族愛を感じさせるところが面白い。
2020/06/23