STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ゾーンゾンゾンゾン
原作は未読。
カラーズを名乗る女子小学生3人組のコメディ、と言っても他作品によくあるロリ要素は
ほとんど無く、良くも悪くも小学生らしい無邪気さで成り立っている感じ。
結構悪ガキといった感じの娘達で、過去作だと「苺ましまろ」が近いか。「苺ましまろ」も
そうだが、こういった悪ガキの部分を面白がるか、不快に思うかで作品自体の好き嫌いが
別れそうな印象。個人的にはこの辺は凄く好きだったけど。
この悪ガキ感を一番体現していたのがさっちゃんで、やたらと「うんこ」を連呼していたが、
こういうところはいかにも小学生らしい。
さっちゃんに関しては作品カラーを象徴するだけでなく、リーダーこそ赤松 結衣だが、実質的に
カラーズを引っ張り、更に本作のストーリーをも動かしていたのは彼女という印象。
地域に根ざした子供の暮らしを描いたという点では、
「のんのんびより」(以後、のんのんと表記)に通じる部分もあり、
さしずめ「都会ののんのんびより」といったところ。
のんのんの作品カラーやキャラの個性に田舎という舞台が大きく関与しているように、本作も
上野という舞台が大きく関与しているのように思える。
上野は東京の大きな繁華街でありながら、下町ゆえに古い部分も多く残しており、更に東北からの
玄関口という側面や、スカイライナーで成田空港と結ばれていることによる海外からの来訪者の
通過点という側面、アメ横のような巨大商店街、上野公園を始めとする自然、動物園・博物館・
美術館などの文化的施設などなど、様々の顔を持つ雑多な街という印象があるが、本作も
そういった雑多な雰囲気が感じられる。
序盤は割と凡庸な印象があったが、この手の作品はキャラの特性が判るようになるに連れて
面白さが増してくる感じ。
特に序盤は赤松 結衣が振り回されたり、いじられたりする可哀想な印象が強かったが、結衣も
結構きつい部分があり、特に青山 琴葉に対しては強かったりすることが判明。その琴葉の肉体的
攻撃の対象になるのはさっちゃんで、さっちゃんがすかしたりいじったりするのは結衣と
言うことで、三すくみのような関係性によって生じるある種の対等感が出てきてから
より良くなった気がする。
互いに相手に結構ひどいことをしているのだが、それでも根底にある仲の良さが感じられるのが
良いところ。
子供達に接する大人キャラもいい味を出している人が多かった。
おやじこと、鯨岡 大吾郎は子供目線に下げて接してくれる優しい人で、「カラーズが
可愛くてしょうがない」というのがよく判るキャラ。タイムカプセルエピソードで10年後に関して
言及していたが、彼女達が大人になった時にどんな関係性を築いているのか気になるところである。
一方、警察官の斎藤は上から目線でカラーズに接しようとするが、結局はカラーズと張り合おうと
することで同じ土俵に立ってしまっているところがおかしい。
最終話はお花見。こういったコメディの最終話がお花見という作品は結構あるような印象が
あるが、本作はレギュラーキャラのみならずこれまでに登場したキャラ総登場といった感じで更に
賑やかさが増していた感じ。
原作者を同じくする「ひとりぼっちの○○生活」にも感じられたが、
「ワンコインさっちゃん」などに代表される独特のワードセンスが本作をより面白いものに
している感が。
お祭りのシーンは始め、動きが欲しい部分に止め絵が多かったのが幾らか残念。
2020/06/07