DEIMOS さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
南極ブームの始まりを告げる作品。
オリジナル原作の、女子高生4人組が南極に行くだけの話。
まず、南極に行く、という単純なモチーフが良い。2017−18の冬(南半球では夏)は、ちょうど南極絡みのトピックが多かった。初の単独無補給での南極点到達を達成した荻田泰永、例の高視聴率番組で南極登山に挑戦したイモト、実際に親子二代で南極観測隊入りした村越。
そして、決定打が、この「宇宙よりも遠い場所」。「女子高生と南極」、といういかにも、「アニメにありがちな嘘くさい」取り合わせを、「説得力ある形でリアルに」描いた。このリアリティと、細かな心理描写、予想を裏切る人間関係こそが最大の魅力だろう。花田十輝がここにきて覚醒したのだろうか。最終回を無難に畳んでしまったのは残念だが、それまでに何度かの感動のピークがあった。
作画面では、無難。特に見所はなかったがマイナス要素もなかった。
南極という一見遠そうな場所も、女子高生という何の後ろ盾もない人間であっても、強い思いを持って行動すれば到達できる。示唆ぶかい教訓を得る。事実、欧米人にとっては、南極は人気の観光スポット。日本人にとってはアクセスが悪いが、お金と時間と勇気があれば、南極への「聖地巡礼」はさほど非現実ではない。そんな日本人が増えるのも、そう遠くない未来かもしれない。