ゲリオ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
原作組と違って新規的には当たり
NHKの"3月のライオン"にハマってしまったついでに視聴を開始した将棋アニメ。
どうせロリコンに媚びたしょーもないラノベでしょと勘繰っていたが予想外に見応えがあって驚いた。
もちろんラノベなので"3月のライオン"と比べると非現実的なキャラ設定ではある。
とは言え現実世界に藤井君というラノベもびっくりな棋士が登場しちゃったから一概に非現実的とも言えないかもしれないけれど。
作画面に関しても最後まで大きな崩れがなく、同制作会社の過去作である"ロウきゅーぶ"や"天使の3P"を上回っていると感じた。(…こんな作品ばっか作ってんだな、この会社w)
一方で尺の都合によるカットシーンはかなり多かった模様で、原作ファンからの不満の声はアニメ序盤から結構目にすることがあった。
具体的には姉弟子の扱いである。たしかに原作知らない自分からすると偶に出てくる何かツンツンした子というのが中盤までの印象。
原作組からするともっと可愛らしいシーンが多くあったのに削除されてしまったとのことである。
まぁ、限られた尺の中でロリかツンデレ中学生、どちらかを天秤にかけるなら、後者の扱いが悪くなるのは致仕方ない。(中学生が年増扱いってよく考えれば酷いなw)
制作会社自身ロリジャンルを得意にしてるし、必然的に取捨選択しなければならないだろう。
原作はコミカライズされてるようだし機会があれば漫画を読んで可愛らしい姉弟子の姿も補完したいと思う。
ところで本作のヒロインはJSやJCの他にも多数のヒロインが登場し、中には桂香さんという大人のお姉さんも含まれる。
小学生からアラサーまでなんと守備範囲の広さか、この主人公っ!
個人的に全12話の中で一番良かった回が、その桂香さんがメインの7話であった。
桂香さんの境遇と葛藤、そして非情な現実が30分に満たない短い放送時間の中に凝縮されていた。
原作組はどう思うか分からないけどやっぱり制作陣は限られた尺で見せ場を作るのに力を尽くせていたと思う。
それにしてもロリアニメのはずなのに、ロリが関係ない話が一番面白かったとはある意味皮肉。
最後にまとめると単なるロリアニメとして舐めてはならない程なかなか面白いアニメであった。
あくまでロリキャラ等の要素はラノベ作品として成り立たせるための素材であり、作品の本質的な長所は将棋というなかなか描写しにくいジャンルをキャラとストーリーの熱さで表現することに成功した部分にあった秀作である。