Dave さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
京アニパワーで作画は流石
一般評価は高いようだが、果たしてそこまで面白いかは?確かに人物や背景の画力は流石の京アニ。回によって泣けたり泣けなかったり。メインキャラ以外が感情的に叫ぶ箇所が耳障りだったり、まあ赦せたり。「機械式人形」なのかと思ったら違うの?じゃあ何故そんなに戦闘能力が高いの??
1. 期待が大きいと審査眼が厳しくなって
正直、トレーラーを見てかなり期待していたんですよね。
美しい京アニの画で、「手紙」というtouchingな題材で、なんだか儚げな作品っぽいな、と。
フェアではない言い方かもしれないけど、勝手に期待していた分、余計に失望したというか。
2. 題材はや舞台は良い
第一次世界大戦後のヨーロッパような世界観もいいし、今のように気軽にメールや電話でやり取りするのではない、言葉が重かった時代の代筆業っていうのも魅力的な題材に思います。事実、作中でもそうした部分が上手く活かされ、感動した話もいくつかありました。
3. 語られない違和感
しかし全体を俯瞰してみると、どうも「自動式手記人形」ってなんだ?とか、サイボーグでもないのにそんなに戦闘能力が高かったのはどうしてだ?とか、兄貴に何があってそんな歪んだ性格になったんだ?とか、語られるべき前提が語られずに、違和感が増していくのです。
4. 登場人物の水増し感
それから登場人物が割と多い割には、主人公との関係が薄く、それも作品の厚みを薄いまま終わらせたような気がします。例えば茅原眼鏡とか、もっとがっつり絡んでくるのか(それはそれで面倒くさいなあと思いつつ)と思っていたら、ほぼ空気のような存在で終わったし、焼きそば以降空気だったのに急にプリンセス・プリンシパルかっていうくらいの動きをしてみたり。
5. アクションなんて期待してない
元少年兵という設定は設定だけでいいと思うので、それを派手なアクションで見せる必要はなかったんじゃないか。そんなところで主人公無双を見て評価の上がる作品ではないでしょう?無理にそんなことをするから、まったく共感のできない敵キャラとか、ガバガバのテロとか、どこかで見たことのあるトレイン・アクションとか、突っ込みどころが満載になったんじゃないか。大体、幾らでも代替できる機械義手だったら、痛くも痒くもないじゃない。
6. 画に頼るのではなく、画を活かすストーリーを
全体的に暗いながら、画はやはり美しい。手抜きはないし、外国に外注に出さないし、日本を代表するアニメ制作会社としての誇りを感じました。だからこそ、勿体ない。期待を込めて、今後は画だけでなくストーリーにこだわって最高の作品を作ってほしいです。