Dave さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
続き、はよ
あのオーバーロードの続編ということで個人的な期待値は今期No.1. 期待を裏切らない面白さだったが、「宇宙よりも遠い場所」には勝てなかったので2位。中にはリザードマンの箇所が長すぎという指摘もありそれも理解できるが、私はそこも楽しめたのでそれについては減点なし。面白いので小出しにせずにもっと進めてほしいのと、途中やや作画が不安定だった点は残念。
1. しっかりした世界観・プロット
評価が高いのは、行き当たりばったりではなく、きちんとプロットが練られているところ(≒まおうゆう)。他の【俺Tsueeee!】にありがちな「無駄に強い」のではなくて、背景として転生前に強くなった理由が示されているので、本人のステータスが異常に高かったり、仲間が驚異的に強かったとしても、「ご都合主義」に感じられない(⇔異世界スマホ、デスマ)。これが適当な作品はかつての少年漫画かよ…とうんざりするし、殊更に主人公の強さを強調してもイライラするだけ(⇔問題児たちが異世界云々)。しかも本作のアインズさまは思慮深さと鷹揚さを備え、リザードマンでなくとも軍門に下りたくなるというもの。
2. 目的と進捗
また【俺Tsueeee!】モノにありがちな、あてもなくウロウロしてみたり、または結局何も起こらないグダグダではなく、転移世界の全容解明と世界制覇という目的に沿って、転移世界での進捗がきちんと描かれているのが素晴らしい。そういう意味で本作はやはりきちんとした「作品」であり、全体として一つの「物語」になっている点で安易な【俺Tsueeee!】モノとは一線を画す。
3. 間接的に強大さを示す技法と今後の懸念
主人公の強さを示すのに、その配下(そしてまたその配下)がいかに強いかを描くことで、こんなに強いのに下っ端かよ!ってことで間接的に奥行きを表しているのがワクワクする。その効果は今のところ成功しているのだが、キャラクターを登場させるにはキャラクターの存在意義と、感情移入できるだけの尺が必要。今回でいえばコキュートス、セバス、デミウルゴスを掘り下げたのは正解。しかし今後もこのペースで新キャラを登場させると、風呂敷の広げすぎが怖い。既にプレアデスでは(1期で十分な尺を取った)ナーベラルだけが肩入れキャラになってしまい、それ以外のプレアデスのモブ化が感じられた。ただ登場人物が多いだけになると、視聴者は訳が分からず置いてけぼりになってしまうので、キャラを絞る・それぞれのキャラの印象を強めるエピソードを入れる・相関図を挟むなどして、理解の底上げを図ってほしい。
4. 蜥蜴族と制作の挑戦
先に雑感でも書いたが、個人的には蜥蜴編にこれだけの尺を使っても、その意味はあったと思う。もちろん私も「アインズさま、はよ」と思わないではなかったが、アインズさまがNPCの成長可能性を検証するためにはやはり必要だったのだろう。せっかくなので、リザードマンを圧倒してからの、彼らの忠誠や成長、ナザリック傘下の一員としての活躍も見たい。特に、これまでと違って、○○があったからこんなにも強くなった(新しい用兵法、新技術の導入、別種族との連携、新しい指揮官の適切な指揮など)あればきっと熱い。それから人間族以外のヒロインを出して(我々人間族の)視聴者の魅了を試みたのは、稀有なチャレンジ(Good job,雨宮天) OPで魔族・蜥蜴族・人間族のヒロインキャラが対比で登場するのは、そういうことなんだろう。
5. 音楽
1期に続き、OPに大石昌良 / Tom-H@ck / OxTのモダンヘビネス、EDにMYTH & ROIDの幻想的なメタルオペラ調を持って来て、最高。Tom-H@ck万歳だな。特にMYTH & ROIDのVoが帰国生のように発声・発音するのが素晴らしい。
6. 続編への期待
進撃の巨人の例を引くまでもなく、やはり間が空きすぎると視聴者の熱も冷めてしまうので、1期あけるだけですぐ夏には第3部というのは喜ばしい。しかし急ぎすぎて画のクオリティーが下がることだけは細心の注意を払っていただきたい。既に第2期に若干その兆候があったので、ここは念を押しておきたい点。
厳しいことも書いたが、僕はこの作品が大好きだし、早く続きが見たい。
大いに期待している、というのが偽らざる本音。
アインズさま万歳!