ラグマット さんの感想・評価
3.7
物語 : 1.5
作画 : 2.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
色々と惜しい
Fateシリーズについてあらかじめ知っている人でないと楽しめないと思います。
その上で話しますが、単純に面白くなかったです。
本来の聖杯戦争よりもさらにド派手な7対7の聖杯大戦という素晴らしいキャッチコピーからの意味不明なストーリー展開。
まず主人公のジークですが、正直なところこのキャラを通して何を伝えたいのかが全くわかりませんでした。
消耗品だったはずのホムンクルスの生き残りという設定を持ちながらそれを活かしきれてません。
あまりにも無個性だと感じました。成り行きで生き残って、成り行きで助けられて、成り行きで力を手に入れて、成り行きで英雄に惚れられて。
結果だけを見ると、ホムンクルスたちに生きる目的を与えたと言えますが、それに至る道中があまりにもお粗末だと感じました。というよりも既視感のありすぎるキャラでした。
その周りにいる英霊たちも、何処かで見たことがあるようなキャラ、主人公マンセーのための舞台装置のようにしか見えませんでした。視聴者の視点では初めの頃のジークはどうあがいても立派とは言い難い存在で、魅力もない状態でした。
しかし、その段階で何故か英霊ジャンヌダルクはジークを甲斐甲斐しく世話します。萌えアニメのような展開です。
むしろ正統派の萌えアニメに申し訳がないような稚拙な流れでした。
中立のはずのルーラーが、聖杯大戦に巻き込まれたジークを助け出す。これだけならともかく、そこから共に行動しむしろ率先して聖杯大戦をかき乱しに行っているという展開。
私が感じたのは少なくとも聖杯大戦を描くには描写不足すぎた点です。主人公の思い、各陣営の特徴や強さ、重要な部分が中途半端に描かれています。
しかし、設定を見るとすごく面白そうでもあります。
生き残ったホムンクルスが主人公、7対7の大規模な聖杯大戦、Fateの顔であるアルトリアに深い関わりのあるモードレッド、ヘラクレスの師であるケイローンとその弟子アキレウス、伝説の聖女ジャンヌダルク、日本では学校の授業でも習う天草四郎、他にも日本では知名度はないですがカルナやジークフリートなど簡単に羅列しただけでもこれだけあります。
○○すればよかった、というのはあまりに身勝手な感想なのですが主人公サイドを細かく描ききるか、あるいは群像劇として描くか、どちらか一つを取るべきだったと思います。
総評として、2クールアニメなのですが正直な話中弛みしてしまう話の内容で、出来の悪い群像劇のような印象を持ちました。
ただ、擁護するとすれば2クールでは足りなかったとも思いました。単純計算で7×7の14人の英霊と黒の陣営のマスター7人を描くにはあまりにも尺が短かったと思いました。