Keiner さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
クソアニメとは何か考えさせられた
クソアニメを自称する、という前代未聞なこのアニメ。いろいろ考えさせられました。結論から言うと、クソアニメとは、「設定、シナリオ、作画、演出などが破綻した結果、製作側が意図していないシュールな魅力、笑いどころを獲得してしまった作品」だと考えました。
よくクソアニメに挙げられる作品を思い起こしてみてください。ギャグアニメや4コマ原作といったジャンルのものは極めて少ないと思います。ギャグアニメが破綻したとしても、それはただ滑ってるだけか、シュールギャグになるだけで、あまり製作者の意図から外れた、想定外の魅力にはならないと思います。むしろ、本格ファンタジーとかを狙って製作されたものが破綻した場合の方が、本来の狙いとのずれが大きくなるのです。
キルミーベイベーとかは、こう考えるとクソアニメとは言えない気がします。むしろ、製作側の意図通りの魅力が発揮されていて、シュールギャグアニメとして完成度の高い作品です。面白いかは別として。
当然のことながら、私の定義の場合、クソアニメは自称できないという結論になります。ポプテピピックも、完全に意図してシュールギャグを狙っており、クソアニメには入らないと自分は考えます。
さて、ポプテピピックそのものの評価に移ります。
シュールギャグの連発や、豊富なパロディ、声優シャッフルによるノータイム再放送などが話題を集めました。
クソアニメ自称を含め、炎上商法のアニメ版といった感じの印象を受けました。話題になりさえすればいい、なりふり構わない感じですね。うまくいっていたと思います。
シュールギャグに徹したキルミーと違い、こちらはメタ発言や露骨な声優ネタなど、とにかくメタい作品で、アニメの中で完結する世界がないのが特徴かなと思います。コントと漫才の違いといった感じでしょうか。コントはその中でキャラクターや設定を提示し、その中での掛け合いで笑わせると思います。漫才はむしろお客さんに語り掛けるような形でやりますよね。
ただ、アニメは世界観とキャラとシナリオで、ある程度自立したものであるという先入観があるので、私にはこれをアニメとして楽しむことはできませんでした。一昔前のニコニコ動画とかを見ているような感覚でした。
アニメとしてのレビュー、他のアニメとの比較は極めて難しい作品です。シュール漫才として見ると、そんなに笑えなかったので微妙です。1話に1か所くらいなら面白いところもあります。
シュールな笑いという意味ではボブネミミッミがじわじわ来る感じでよかったかな。
声優ネタや声優ガチャは、視聴率を稼ぐためのあざとさが滲み出ていて、ちょっと不快。大御所を出すのも話題作りでしかなく、その人が出たからネタが面白くなるわけでもない。その人の名前を出すことが目的という感じで、大御所の方々ももう少し仕事を選んだ方がいいのでは、とすら感じました。
面白くないし、クソアニメ的な魅力もないし、個人的には好きじゃない作品ですが、いろいろと考えるきっかけになってくれたのでそこは感謝したい。これをオススメすることはないでしょう。ニコニコ動画、声優ネタなど好きな人は楽しいのかもしれない。普段の私のレビューよりやや長めに書いているのですが、これこそが、私が炎上商法に引っかかっている証明なのかもしれませんね。悔しいのでもう筆をおきます。