ラグマット さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
1クールで終わったのが惜しいと思えた作品。
名作でした。
映像美とストーリーの展開、キャラクター、音楽、全てにおいて欠点の見つからない作品です。
全13話全てに見所があり、世界観も謎が多く吸い込まれるようでした。
ド派手なアクションや熱い戦闘シーンはありませんが、ストーリーで魅せてくれる作品で、伝説の冒険家の母の影を追う少女リコと記憶喪失の謎の少年レグが繰り広げる冒険活劇です。
{netabare}
以下簡単なストーリーの流れ。
ネタバレになるので注意。
死亡したと思われていた母ライザからの手紙【奈落の底で待つ】と書かれていたその手紙を見たリコは孤児院を出て冒険へと出かける。
その傍には謎の少年レグ。記憶がなく両手と両足が機械の奇抜な少年はリコとともにアビスの謎へと挑む。
その道中、母ライザの師でありリコの命も救ったことのある白笛、不動卿オーゼンとその弟子マルルクと出会う。
子供騙しが嫌いと言うオーゼンはその言葉の通りにリコとレグに容赦なく試練を与える。マルルクの機転もあり、試練を切り抜けた二人はオーゼンからある提案を受ける。
生きる力をつけるための訓練。そう言うオーゼンの提案をアビスの闇に挑むには力不足の二人が呑まない筈がなく、二人は生きるための訓練を開始する。
熾烈な生存競争、二人は知恵と力を合わせそれを見事生き残ることに成功。生きているかもしれない母を探す目的のために一刻も早く深界に潜りたい二人はオーゼンとマルルクと別れ、さらに地下深くを目指す。
オーゼンたちと別れた二人だが、ある物を託されていた。
それはリコの母、伝説の白笛にして殲滅卿と謳われるライザの武器、無尽鎚ブレイズリープ。
強力な武器を手に入れた二人はアビスのさらなる深みへと向かう。
しかし、その先は険しい。
ブレイズリープを手に入れた二人に大きな壁が立ちはだかる。身体中に鋭い針、強力な毒を持つ原生生物、タマウガチ。
その理不尽なまでの強さに二人は追い詰められ、リコはその毒に侵される。為すすべのないレグはリコを逃がすために上へと飛ぶ。
しかしそれはさらなる苦痛の始まりでもあった。アビスの呪い、それは下から上へと上がる際に起こる人体を侵す呪い。
深界4層の呪いは全身に走る激痛と穴という穴から血が出るという苦痛。タマウガチの猛毒と、3層に近いことで併発した平衡感覚の乱れ、幻覚と幻聴。
多くの痛みに耐えながらリコはレグにある頼みをする。
腕を切り落とす。レグは苦悩の末にリコの頼みを聞き入れる決意を決める。
切りやすくするために腕を折り、そして…
しかしレグは手を止める。息をしていない彼女を前にどうすることもできず、涙を流し泣きじゃくる彼に人影が歩み寄る。
それは人の姿をしていない者。
彼なのか、彼女なのか、その者の指示に従いレグはリコを助けるべく動き出す。
ナナチ。
それがレグたちを助けた人物の名前だった。
自らを成れ果てと呼ぶナナチの助けもあり、一命を取り留めたリコ。
感謝の意を示すと同時に何故もっと早く助けてくれなかったと憤慨するレグにナナチは自分のことを話し始めた。
深界6層の呪い。人間性の喪失、或いは死。
しかし彼女は唯一それを耐えた存在。それは多くの人々が求める存在であり、どんな手を使っても手に入れたい存在。
そして、ナナチには同居人がいた。
それはかつて彼女の友だった少女ミーティ。
しかしその姿は人間のそれとも、ナナチの姿とも違った。
あまりに異形なその姿に困惑するレグ、人間性を喪った成れの果てを前に彼は大きな決断を迫られることとなる。
リコの容態が安定したレグはナナチにアビスの呪いについて尋ねる。ナナチ曰くアビスの呪いは上昇負荷、アビスに存在する特殊な力場によるものだという。
その後レグはナナチからタマウガチの対処法を教わる。
単身の黒笛すらも圧倒するその存在にナナチが教えた対処法とは…
ナナチから教わった対処法によりタマウガチの隙をついたレグはリコの恨みを果たすべく必殺の一撃を与える。
それはオーゼンから使うなと言われていた必殺の一撃、火葬砲。
空間を消し飛ばすほどのその威力にタマウガチは自らの針を犠牲になんとか回避する。しかし針の大半を喪ったタマウガチは姿を消し、逃走。
仇敵を倒せたことに安堵するレグは助けた黒笛にある頼みごとをする。それはレグとリコの恩人への伝言。
そんな中、ナナチは悲願を果たすことのできる存在に歓喜する。
ナナチはレグにその願いを叶えてくれるように頼むが、レグは絶句する。その願いとは、ミーティを殺すこと。
死ぬことのできない呪いにかかったミーティを殺す最後の手段、それがレグの持つ火葬砲だった。
答えることのできないレグにナナチは気丈に振る舞うが、ナナチの過去はあまりにも暗いものだった。
ゴミだめでクズ拾いをして生きるナナチはある日、白笛ボンドルドと出会う。希望を求めて彼の手を掴んだナナチはそこで数多くの子供達と出会う。そこで、ミーティとも出会った。
白笛になりたいと言うミーティは目を輝かせながら物を拾うのが得意なナナチにパートナーになってと提案する。二人はすぐに友達となり、それから長くを共にする。
しかし二人を待っていたのは希望ではなく絶望だった。
白笛ボンドルド、その本質は吐き気を催すほどの無垢な邪悪。目的のためなら手段を問わずに自らの娘まで実験に使う男。
優しく、紳士的な立ち振る舞い、子供達に愛情を感じさせるほどに接していた彼はナナチとミーティを最後の実験材料として深界6層に落とす。
どちらか片方が両方の呪いを耐えることで、もう片方はどうなるのか、しかしこれまでの実験では耐えることができず両方とも呪いに侵されてしまった。そして今回両方の呪いを受けるのはミーティだった。
ナナチは人間性を保つことができた。
ミーティは耐えた。ナナチの分の呪いも受け止め、そして彼女は人間性を喪った。
絶望したナナチは心を閉ざし、日々研究施設で生きていた。そんなある日ボンドルドはナナチを連れてある部屋へと連れて行った。そこではナナチをさらなる地獄へと落としめる実験が行われていた。
ミーティを殺すために様々な方法で痛めつけたというボンドルド。涙を流すミーティの成れの果てを前にナナチは決意する。
ミーティを連れて施設から逃げ出したナナチは深界4層に住処を作り、そこでミーティと意思の疎通を試みるがことごとく失敗。ミーティを楽にすると誓う。
しかし死なないミーティは…
諦めかけていた最中、最後の希望であるレグと出会う。
レグはミーティを殺すことを約束した。
しかし、涙を流すナナチを前にレグはある条件を突きつける。
それは生きること。
ナナチはそれを受け入れた。
そしてレグはミーティを…
全てが終わり目を覚ましたリコは夢で見た悪夢を語る。
その悪夢に出てきた泣いてた少女とは…
そして、傷の治ったリコとレグは再び深層を目指す。
新たなる仲間と共に…
こんな感じで二期に突入します。
{/netabare}