ゲリオ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
山梨の命運を賭けたご当地アニメ
我が地元を舞台にしたキャンプアニメ。まんがタイムきららで連載中の萌え漫画が原作。
きらら系作品はもはや食傷気味なのだが、一応ご当地アニメということで視聴することにした。
結果として見て正解と思える内容だった。
1話から感じたのは、本作はきらら作品と言っても"ごちうさ"や"きんモザ"とは多少毛並みの違ったアニメであるということだ。
同クールに放送された"スロウスタート"の方はまさにコテコテのそっち系だったが(申し訳ないが2話切り)こちらは単なる美少女萌えのみじゃなくプラスアルファの側面があるというか、例えばキャンプという題材を終始大切にしていたのが評価に値する部分だと感じた。
自分でテントを立てて焚火を起こし、カップ麺等をすすりながら大自然を満喫する…そんなアウトドアの魅力が存分に描かれており、本作で実際キャンプに行きたくなった視聴者も相当数いるのではないか。
また、度々挟まれた大塚明夫氏ナレーションによるキャンプにおけるワンポイントレッスンも分かり易かった。
登場するキャンプ場は全て実際に存在する場所であり、アニメスタッフがしっかりと現地取材をした甲斐もあって素晴らしい再現度に仕上がっている。(詳しくは山梨の県観光ホームページのゆるキャン特集を参照してもらいたい。)
当該キャンプ場を聖地化するなどして、地域活性化アニメとしても十分に機能してくれると山梨県民としては非常に嬉しい次第だ。
その他、ゆるキャンが他のきらら系と違って新鮮だった側面は、メインキャラが中盤まで群れなかったところである。
どうしても美少女アニメって4~5人のグループ作ってキャッキャウフフなやり取りを1クールかけてやるのが定番であるが、本作のメインヒロインの1人であるリンちゃんは、少しぼっち気質なとこがあってソロキャンを主体に活動しており、そんなキャラ同士の距離感が面白かったなと感じた。
サークルの3人が初心者向けの地元キャンプ場で楽しむ一方で、リンちゃんは一人長野まで原チャリでソロキャンプ…。それでもお互いの夜景をメールで送り合って絆を深めたシーンは本作屈指のハイライトだったと思う。
なんかご当地アニメなこともあって絶賛的なレビューになってしまったが、巷で覇権だなんだ言われてるけど、正直それは言い過ぎだろうという気持ちもある。
基本ストーリーはないに等しいし、あんまり大袈裟に褒め倒すとステマだの何だの言われるかもしれないので注意しないとね。
ただ、昨今のきらら系作品の中では群を抜く良作だったこと、それは間違いないですよ。