シャベール大佐 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
悪くない百合恋愛物だけど、中盤以降やや失速気味
親の再婚によって義理の姉妹となった藍原柚子と藍原芽衣という、同い年の女子高生2人が主人公の百合恋愛物。全12話。
物語の序盤は、お嬢様学校に転入してきた柚子が、厳しい校則をものともせずにギャルメイクや派手なファッションを貫いたまま、かなり破天荒というか常識外れな行動をしたりして、いい具合に「ぶっ飛んで」いたのが単純に笑えましたし、とても好感が持てました。ストーリーにも勢いや刺激、何が起こるかわからないワクワク感があって、かなり面白くなりそうだと期待しました。しかし、中盤以降は、柚子の行動が大人しく、あるいは、臆病になってしまったという印象で、当初にあった破天荒な魅力が薄れてしまい、やや残念でした。ストーリーのほうも、本筋である柚子と芽衣の関係を真正面から描いて勝負するのではなく、定期的に新キャラを投入して物語をかき回すことで尺を稼いでいるようにも思えて、特別つまらないというわけではないのですが、やや失速という感じは否めませんでした。
柚子以外のキャラでは、成績優秀な生徒会長で、どこか影のあるクール系美少女の芽衣も悪くないですが、個人的にいちばん好きだったのは柚子の友人・谷口はるみ(通称はるみん)。明るく、さばさばした性格が魅力的で、藤井ゆきよ演じる声も良かったです。せっかくこんな良いキャラがいるのだから、新キャラを投入する前にもっと物語に絡めて欲しかったなあ、なんてちょっと思ってしまいました。
音楽は、OP、EDとも、普通に良かったです。特にEDは、少女漫画っぽい絵柄の映像も好みだったので、毎週楽しみにしていました。
最後まで観終わって、序盤が面白かっただけに中盤以降の出来にはやや不満が残りました。個人的には百合というジャンルは好きですし、適度に笑いやエロ要素もあり、キャラも良かったと思うので、あとはストーリーの完成度さえもう少し高ければ、かなり楽しめる作品になったように思います。