AXIOM25 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ロボ+サブカル
最初は特に音楽関連の小ネタが散りばめられているところに興味を惹かれました。深読みすればサマーオブラブ→ヒッピー→反体制またはエコロジーとか・・・ある種の思想みたいなものが読み取れなくもないのですが、そういった事より少年の成長物語として楽しめました。残酷な描写や難解な描写もあるのですが、成長し前進して行くキャラクターの魅力のおかげで気持ち良く見終える事が出来ました。
追記:箇条書き・連想されるもの
エウレカセブンに仕込まれた音楽ネタで印象的だったのは、
1話のサブタイトル「ブルーマンデー」
14話にて名前の出てきたアーキタイプ発掘現場「FAC51ハッシェンダ」
44話に出てきた「ワルサワ」シティに「ジョイ・ディビジョン」
解説すると
「ブルーマンデー」はイギリスのバンドニューオーダーの代表曲
「ハシエンダ」はニューオーダーが所属するインディレーベル、ファクトリーレコードが経営していたクラブ
「FAC51」はハシエンダのカタログナンバー。
「ワルシャワ」は「ジョイ・ディビジョン」の改名前のバンド名。語源はポーランドの首都
「ジョイ・ディビジョン」はニューオーダーの前身バンド。意味はナチス・ドイツの将校用の慰安所。
「ブルーマンデー」は「ジョイ・ディビジョン」のボーカリスト、イアン・カーティスが自殺した翌朝の事を歌った曲。
「セカンド・サマー・オブ・ラブ」とは1980年代末から90年代初頭のダンスミュージックのムーブメント。
サブタイトルの多くはテクノ系アーティストの曲名から、
多くのメカの名称はテクノやハウスで使われる機材から採られている。
ニューオーダーもテクノ・ハウスを取り入れたバンドであり、ハシエンダは「セカンド・サマー・オブ・ラブ」の舞台となったと言っていい場所。
セカンドがつかない「サマー・オブ・ラブ」とは1967年頃のムーブメントでヒッピー・ムーブメント、サイケデリック・カルチャーなどを内包している。ベトナム戦争への反対運動が発端と言える。
ヒッピー・ムーブメントでは東洋の思想・宗教やエコロジーが持て囃される一方で、ヒッピー思想に心酔していたスティーブ・ジョブズがアップルコンピュータを設立するなど先端技術への影響もある。
「ジョブズ」と「ウォズ」はアップルコンピュータの創業者の名前から。
「ウォズ」はいかにもヒッピー的な見た目をしている。
引用されている言葉の多くはなんらかの繋がりがあって、
それは単なる趣味の羅列ではなく思想のようなものを感じます。
しっかりとした本筋がありつつ、こういった隠し味が効いているのもこの作品の魅力だと思います。