カンタダ さんの感想・評価
3.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
最後までは楽しめる良作
原作も楽しませてもらった。良作であることは間違いないので、おすすめできる。
個人的にラスボス的存在である佐河が無力化された後、赤ん坊になって完全に無害化しまうのには拍子抜けしてしまった。成長してもまたあの佐河になるでもなく、完全に無垢な赤ん坊になることにどんな意味があったのか。ちょっと理解ができない。
もしこれで赤ん坊が驚異的な速度で成長し始め、近い内にまた佐河になるなどの展開であったなら、赤ん坊だが無力なうちに殺さなければならないなどの葛藤が生まれて(不謹慎極まりないかもしれないが)楽しめただろうが、そんなこともなく、無事危機は解決してしまう。
さて、他に気になったというよりずっと違和感を感じさせたのが、この物語の強者が本来守られる側の女、子供、老人だということだ。彼らは止界の中で血統からもたらされる強力な能力を使うが、なぜか壮年の翼と貴文の二人はまったく使えない。
古来弱者を守るのは壮年の男の任務だが、このポジションが完全に逆転している。翼に至っては物語の序盤から早々に退場してしまうほど無能であり、貴文は最後まで残るが、腹黒さが強調される程度で役立たずで終わってしまう。ここまで男を軽んじるのには、なにか理由があるのだろうか。それとも単に時流に乗っただけの演出なのか。ここでも理解に苦しむ。
結局最後にはありきたりな終わり方になってしまった。というのが正直な感想なのだが、最後までは楽しめるだろう。