でこぽん さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

愛している証（あかし）

この物語は主人公の岡崎 朋也（おかざき ともや）とヒロイン古河 渚（ふるかわ なぎさ）の恋愛物語であり、家族愛を描いた物語です。

ですが私は、この中に登場する伊吹 風子（いぶき ふうこ）のことが忘れられません。
というよりも、風子のことをいつまでも覚えておきたいのです。

風子は童顔のとってもかわいい女の子。
でも、実は生霊です。
本体は高校入学前に交通事故で意識不明となり、今も入院中です。

生霊となるのには、それなりの想いがあります。
風子は姉のことが大好きです。
風子の姉は、この高校で教師をしていました。
そして風子の願いは、姉の結婚式に多くの生徒たちが出席してくれることでした。
そのために校内じゅうをかけまわり、ヒトデの形をした木彫りの彫刻を配ります。

自分のためではなく姉のために生霊となるなんて、どれだけ姉を慕っているのでしょうか。
でも、目的が達せられると、 {netabare} 風子のことはみんなの記憶から消えてゆきます。
風子にとって忘れられるということは、とても悲しく寂しいことでした。 {/netabare}

そして、姉の結婚式の日、不思議とヒトデの彫刻を手にした生徒がたくさん集まります。
なぜヒトデの彫刻を持っているのか、誰もその理由がわかりません。
その彫刻は、風子の命を懸けた想いの証（あかし）でした。


私たちは、いつかは亡くなります。
そのときに、もし神様があと１日だけ命を与えると告げたとしたら、貴方はそれをどう使いますか？
おそらく、ほとんどの人は自分のために使うのではないかと思います。
それはすごく当然のことだと思います。

そのときに、人のために与えられた命を使う人は、とても立派な人です。
そして、それだけ愛している人がいるのは、とても幸せなことかもしれませんね。（＾＿＾）