「ゆるキャン△(TVアニメ動画)」

総合得点
94.3
感想・評価
1841
棚に入れた
7315
ランキング
6
★★★★☆ 4.0 (1841)
物語
3.9
作画
4.0
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

一人でも楽しく、皆でも楽しい

 原作は未読。
 私感だけど、日常系は話が劇的に動かない分、いかに作品に合った空気感や雰囲気を
維持できるかが重要だと思っています。これが意外と難しいようで、ほんのちょっとした違和感が
一気に空気感を崩してしまう作品が結構あったりするが、本作はこの点に関しては完璧に
近いんじゃないかと。

 メインモチーフはキャンプと言うことで、日常系に特化したモチーフを持ち込んだ場合、あくまで
モチーフは舞台設定のためのもの程度の作品だと、そのモチーフでなくても成立してしまう内容に
物足りなさを感じたり、逆にモチーフを持ち上げすぎて、キャラがウンチク披露のための単なる駒に
なってしまったりと、割とバランス取りが難しい印象があるが、この作品はその辺の按配が
素晴らしく良い。
 キャンプ関連の解説では、リンの祖父役である大塚 明夫氏のナレーションが渋くていい感じ。
 キャンプには飯が付きものなわけで、更に旅行による食べ歩きもあって、グルメもの的な要素も
あり、これがまた楽しかったりする。

 キャラ立ちも良く、特に主役格の各務原 なでしこと志摩 リンが、動的、静的と対称的なタイプで
あるため、それぞれが相手を引き立たせている感があった。
 なでしこのはしゃぎっぷりや他者へのじゃれつき方がとにかく可愛いのだが、これが作中でも
言われていたように犬の可愛らしさのイメージ。
 なでしこが犬なら、リンの孤独を愛する自由人的雰囲気は猫のイメージ。言葉少なめな印象の
リンだが、内心のモノローグも含めたツッコミが多く、これが中の人である東山 奈央氏の演技も
あって、凄くいい味を出している。
 ツッコミと言えば、リンほどではないが野クル側も犬山 あおいのツッコミがあり、これが
関西弁ということもあって、リンのそれとはまた違った味わいがある。こちらも豊崎 愛生氏の
演技が素晴らしい。
 主要キャラ5人の内、3人が静的なキャラのためか、全体には穏やかな雰囲気があり、その辺の
なごみ感も良い。
 キャラの良さに関しては絵のセンスの良さもあるように思える。これは原作の絵からして
そうなのか、アニメ化に際してのキャクターデザインによるものかは判らないが、同系統の他作品と
較べてもポップイラスト寄りの印象で、これがある種のお洒落感や上品さを醸し出しているように
思えた。OP映像のあの雰囲気はまさにそれを活かしたものではないかと。
 センスと言えば、リンのスクーター(ビーノ)、なでしこの姉の桜の車(ラシーン)、リンの祖父の
バイク(トライアンフ)などの乗り物のチョイスも、ある種のセンスの良さを感じる。
 キャラの魅力という部分においては、前述の東山 奈央氏や豊崎 愛生氏以外にもキャストの演技が
相当底上げしていた感があった。

 キャラ同士のやり取りに関しては小芝居などが随所にあり、この辺も面白いところ。特にリンと
斉藤 恵那、大垣 千明とあおいの組み合わせは付き合いの長さから来る二人だけの独特なものが
感じられて良い。
 この手の作品には珍しく、各自バラバラな行動をしているのも印象的で、ある時は一緒に、
ある時は個人行動といった具合の自由な感じが良い。
 そして離れていてもメッセージアプリなどで繋がっているのが見て取れるのもいい感じ。この
アプリのやり取りも直接会話とはまた違うノリで楽しかった。
 5人全員によるキャンプは終盤になってようやくという感じで、それだけにクライマックスに
相応しい感があったが、その後の最後の最後でなでしこのソロキャンプが描かれ(結果としてリンと
現地で会っていたが)、キャンプというものは皆とやっても、一人でやっても楽しいということを
体現していたような印象。

 背景作画、音楽も作品の雰囲気に非常にマッチしていた感があった。

2020/04/26

投稿 : 2020/04/26
閲覧 : 401
サンキュー:

19

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