シャベール大佐 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
とても出来の良い、「美少女+キャンプ」の日常系作品
山梨県周辺を舞台に、女子高生たちがキャンプをする日常系作品。全12話。
こういった「特定の題材+美少女日常」という形式の作品は数多くありますが、この作品はそれらの中でも上位に入る出来の良さだったと思います。
まず、なんといっても題材の魅力が上手に描けていました。自然の中で過ごすキャンプはとても気持ちが良さそうで、山や湖の風景、遠くの町の夜景の美しさなどを観ていると、自分もそこに行って体験してみたいと素直に感じられます。寒い野外で作って食べる温かい料理が美味しそうに見えることにかけては、そこらのグルメアニメにも負けない説得力がありました。キャンプに必要な道具や技術についての説明も、ときには失敗描写なども交えて面白く描けていて、楽しみながら豆知識も得られるといった理想的なバランスになっています。
キャラは、一人でキャンプをすることが好きで知識や経験もそこそこ豊富な志摩リンと、キャンプ初心者の各務原なでしこという2名が主人公で、その他に大垣千明、犬山あおい、斉藤恵那という友人たちが主な登場人物になります。個人的な印象としては、美少女日常系作品にありがちな過度な甘ったるさがなくて、キャラの魅力に頼った萌えや癒しというよりも、キャンプの描写、会話の面白さ(特に千明)、犬や松ぼっくりなどを使った小ネタ、ユーモアのあるナレーションなど、内容自体を楽しめるようになっていたと思います。全体的にコメディとしてのセンスもある作品でした。
音楽は、OP、ED、BGMとも、なかなか良かったです。ED曲は声質が優しい雰囲気で印象的ですが、プラスティック・メモリーズのOP曲の佐々木恵梨ですね、声を聞いてすぐわかりました。
最後まで観終わって、とても楽しめました。心地の良い「ゆるさ」の中に、適度な笑いや、ちょっと有益な知識、風景やグルメの魅力もあり、キャラにも好感が持てて、満遍なくレベルの高い作品だったと思います。