タマランチ会長 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
これぞ本当のJKの青春群像劇!傑作!
某掲示板に、視聴を進めていく過程で投稿した感想があるので、それを時系列に合わせて並べ、あにこれように書き直していきます。
総評
1期より2期の方が面白かったと思います。
物事にクールな久美子が自分を見つめ直し、感情を爆発させる場面が何回かありました。よい経験になったことだろうと思います。あすか先輩も捨てきれない吹奏楽への愛情を再確認したことでしょう。勇気をもって告白したれいなも大きく一歩踏み出せたのではないでしょうか。各々が青春していたと思います。そこを大きく評価します。
コメディ要素が後退して、ドラマ性が強くなりました。2期の大筋は、前半はみぞれ先輩、中盤からあすか先輩の一件。2つともそれこそ演奏が成り立たなくなるくらい全国大会へむけて致命的な痛手となる一件でした。それに久美子は深くかかわり、大いに振り回されます。私もおせっかいな性格ですので、大変共感しました。その中で、自分を見つめ直し、感情を大きく揺さぶられる久美子を観ていると、ハラハラしたし「がんばれ!」と応援しながら観ていました。近年まれにみるのめり込み方でした。文句のつけようがありません。これは名作認定でよいと思います。
1話
冒頭の大会金賞の余韻を味わうシーン。カメラがゆらゆら揺れて、彼女たちの目標を達成したのだけれど実感がわかないみたいなふわふわした心情が上手に表現されている。前者の中のシーンでもカメラを揺らしたり、京アニはこういう細かな画面作りに芸が細かいし、意味があるし、画面から目が離せない。見ていて心地いい画面を作ってくれるところがホント感心します。
ただ、とっかかりの展開として、やめた部員が復帰をお願いするとか、なんだよ迷惑な話だよねってのがよく分かるし、もうどうでもいい感じの話で共感できない。この復帰騒動がこれからしばらくは話の軸になるんだろうと思うと観るのめんどくさい気になってしまった。
花火大会の主人公と2人の関係とか、とにかくこの作品はリアルな女の子のドロドロした心情の話になりそう。私は男なんで「女ってめんどくさいんだな~」というのが正直な印象。共感できなければ楽しめないので不安がいっぱい。 とりあえずこれから続き観ます。
4話まで
みぞれちゃんの場面コミュ障。結局彼女の思い込みが原因だったってだけの話で、誤解が解ければ簡単に解消されちゃうって話。ほんとメンドクサイ。でもまあ、若いころってそういう側面もあるし、共感できました。思春期ですね~~。
理科室の机の影にうずくまっていたみぞれちゃんを、優子ちゃんが手を引いて立ち上がらせるとき、机の下から出てきたみぞれちゃんに日の光が当たります。自分の殻に閉じこもっていた彼女をその殻から解放する象徴的な場面。ベタな演出ですが見事でした。まだまだ楽しめそうです。
5話
関西大会。この作品は演奏を細かいカット割りとカメラを揺らしたり過去回想シーンを挿入したり、王道の演出で淡々と描きますが、そこがすごくよい。演奏が始まる前の緊張感。年に一度の大会、たった12分の演奏のために休日なしで練習し、演奏をしている部員と舞台裏で見守る部員。それぞれの表情がとてもよくて、画面から目が離せなかった。エンディングのあとの、結果発表の緊張感。わしは別に練習頑張ってきたわけじゃないけど、一緒になってドキドキしたし、出場が決まったときは目頭が熱くなってしまいましたよ。いや、ホントすばらしい。
9話まで
う~~~ん、、、部活をやるにしても親の承諾は必要だし、普通に部活やらせてもらっていたことには感謝しなければいけないね。先輩も大変だ。主人公は悪意なくうっかり本音をもらしてしまうところあるから、そういうキャラが相談相手として受け入れられているようす。それにしても、ラストの先輩のユーフォの独奏はグッときましたね。続けるんだろうけど、どうすんだろ先輩。いや~楽しめます。
10話
いや~、あすか先輩の引き留めはかなり緊迫感がありました。本人が一番悩みに悩んで出した結論を覆すための説得ですから、きれいごとではとても太刀打ちできません。久美子のありきたりな説得は、あすか先輩にことごとく論破され、追い詰められていきますが、最後の最後にクールなキャラの久美子の心の底からこみあげてきた本音はようやくあすか先輩の心に届いたようです。ホント目頭が熱くなりました。・・・が、模試で全国30位以内入って母親を説得するというシナリオはすでにあすか先輩の中にあったみたいですね。やはりあすか先輩は自分で何とかしちゃうしっかりした娘だったみたいです。
あすか先輩の件で、久美子の姉の件が大きく影響していたことは間違いないでしょう。吹奏楽にのめり込んだ自分の原点と、姉とあすか先輩を重ね合わせ、高いレベルで一緒に演奏をしたいなどクールな久美子が感情を高ぶらせ爆発させるまでの過程がしっかり描けていたからこそ、視聴者にもその思いが届き、共感させるのでしょう。実によくできた作品です。すばらしいの一言です。
11話
ずっと懸案事項だったれいなの滝先生LOVEが問題化!しかし、れいなも気持ちの整理をつけて自分で解決してしまいました。考えないようにするとか、人のせいにするとか全部無駄。考えるだけ考えて、直接本人に聞いて、吹っ切る。すべては大会でよい演奏をするため。部活の力。共通の目標を持った集団は強い。恋愛が絡むから深刻だけど、爽やかな解決でした。
京アニは背景に弱点があるなと思っていたんですが、最近は川など水の表現が秀逸で実にきれい。電車の中の揺れとか、車窓から見える電線の流れとかホントにうまい。アニメらしさを失わず、省略、誇張が利いていて実写よりいいくらい。もう称賛の言葉しかでてきません。
12話
久美子がお姉さんを追いかけて「大好き!」という場面。夜景でピントをぼやかした背景処理が実に美しかったです。実写のそれよりずっといい。アニメのよさを生かした素晴らしい演出でした。京アニはホンモノです。恐れ入りました。
関東大会本番。Aパートで演奏を披露する直前で終わり、Bパートで演奏は省略でいきなりの結果発表。演奏を身を乗り出して期待した自分としては肩透かしでしたが、吹奏楽の演奏をこんなに期待したのは身内が発表するときくらいのものでしょう。ドリフェス最終回での彼らの歌なんか「早く終われ~」ってくらいテキトーに視聴しているのですから、この作品の引きはすごいです。
あすか先輩のお父さんからのメッセージは実に感動的でした。不器用なお父さんですが、娘にはしっかり届いたことでしょう。久美子のお姉さんのエピソードも、キチンと彼女の吹奏楽愛の原点回帰に結びつきました。ただのあすか先輩の退部騒動を盛り上げるイベントで終わらずよかった。れいなは、滝先生への告白を先生生徒間の「好き」にはぐらかされた感じで、ちょっと気の毒でしたね。
13話
いや~~見応えがありましたこの作品。最終話は久美子と卒業するあすか先輩との別れがグッときましたね。久美子が先輩と姉を重ねているのがよく分かります。以前から人の涙腺を刺激するのは「別れ」と「やさしさ」だと主張しておりますが、今回も最高の別れでした。あすか先輩はついに感情を爆発させることはなく、最後までクールでした