sunnyday さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
言葉が想いを宇宙に繋ぐ
「赤道を抜け、嵐を抜け、氷を割り、
日本から1万4千キロ。
宇宙よりも遥かに遠い、誰も寄せ付けない、
その場所へ。」
この作品がこんなにも素敵なものになったのは、本作で使われる「言葉」の美しさにあると思います。1話1話がとても丁寧に作られているのをひしひしと感じた作品でした。
-物語について-
ストーリーは、4人の女子高生が、民間南極調査団の一員として南極へ向かうという、ありそうで無いお話です。
物語の随所には、心をぐっと動かすような主人公たちの「言葉」があります。その言葉の中には詩的なものもあり、ぶっきらぼうに語りかけてくるものもあり、そしてひらがな1文字で表されるようなものもあります。それらの言葉はどれも真っ直ぐで、愛おしいとすら感じました。
全13話のどの話にも笑える所や感動する所があって、その上オチもしっかりしていて、非常にエネルギーに溢れています。なので、視聴するのにすごくカロリーが要りました。観ると結構疲れると思います。
-作画について-
キャラクターの輪郭にハイライトが強めに入っていて、最初の1、2話くらいは違和感を覚えましたが、その後は慣れて、自然に観ることができました。
また、国立極地研究所を始めとする関係各所の協力もあってか、観測船や昭和基地の様子がリアルで、作品をより引き立たせています。
-声優について-
声優さんはどのキャラクターもぴったりで、それぞれの個性が出ていると思います。特に報瀬が大声を出す(叫んだりする)シーンでは、花澤香菜さんの渾身の演技が見られました笑
-音楽について-
挿入歌はどれも素晴らしいです。泣けるシーンのちょうどいいタイミングで流れてくるので、危うく何度も、涙腺から淀んだ水が溢れ出しそうになりました…
-キャラについて-
南極へ行く4人はみんな個性的で、この4人以外にはありえないと言えるくらいに物語にマッチしています。感情の描写もブレがなく丁寧で、キャラクターに共感する所が多くありました。
個人的には、日向の話をもう少し掘り下げて欲しかったです。
-その他-
・{netabare}これは他の方のレビューを見て気づいたことなのですが、友情を描きたいが為に、肝心の南極についての掘り下げが少ないと感じました。せっかく関係各所と協力しているのだから、もう少し観測船や基地の生活とか詳しく説明しても良いかも知れません(1クールアニメにそこまで求めるのは酷かもしれませんが)。{/netabare}
・{netabare}ここまで完成されているアニメなら、深夜アニメではなく、もっと他の形で放映出来たのではないかと強く思います。例えばNHKとかが版権を獲得して(最近はアニメよくやってますし)、NHKスペシャルでよりもいとコラボして南極の特集をやったり…妄想の域を超えませんが夢のある話だと思います〜{/netabare}
本作は今年のアニメの中で非常に注目されていて、どうしてだろうと思って視聴しましたが、想像以上に素晴らしいアニメでした。円盤を手元に置いておきたいと思ったのは初めてです。
報瀬の言葉は、宇宙に届いたでしょうか。
素敵なアニメに出会えて、良かったなと思っています。
{netabare}「本物はこの1万倍綺麗だよ」{/netabare}