ちあき さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
普通なのに心に訴えかけるものがありました。
戦争時中を描くこの手の映画は、戦争が如何に悲惨かを訴えるというイメージがありましたが、この作品にはそういう感じは全く受けませんでした。なんというか、普通といったらいいのか……。すごく良い意味で。
普通に生活して、普通の日常が続いていく中で、戦争という出来事が起こっている。なんだかそれは妙に現実的に見えて、心に訴えかけるものがありました。
戦争と本当に戦っていたのは、すずさん(主人公)みたいな人達だったんじゃないかなぁと私は観ていて感じました。いや、戦っていたわけではないのですが……。言葉にするのは難しいのですが、言い換えると、戦争そのものに屈せずに、戦いそのものに屈せずに、しっかりと人としての生き方を守っていたのは、すずさんみたいな人達なのかもしれないと感じました。
例えば、争う気持ちが怒りの炎みたいなものだったとして。戦いの火の手に触発されて、こちらも炎みたいに熱くなったら、火と炎があわさって、それこそ大変で……。だから周囲から「何やってんの!」とトロいように思われようが、愚か者のように思われようが、普通の生活を何事無しに過ごしていくことが、平和を守っていくことに、平和そのもに繋がるのかなぁなんてことを考えました。
言葉にするのは難しいですが、言葉にできないからこその映画やアニメなんだとも思います。是非ご覧ください。