蒼い✨️ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
健全?ほのぼの!?らぶらぶ!!!
制作:project No.9
2016年4月7日 - 6月23日に放映された全12話のTVアニメ。
原作は聴猫芝居が執筆しているラノベであり、電撃文庫から刊行中。
監督は柳伸亮。
【概要/あらすじ】
高校1年生の西村 英騎(にしむら ひでき)はネットゲーマーであり、学校でも普通にオタク趣味を隠さずにいる。
2DのMMORPG「レジェンダリー・エイジ」のプレイヤーである英騎は、
自分の持つ男性キャラに「ルシアン」と名付けて、タンク職のアーマーナイトとしてプレイしている。
「ルシアン」はゲーム内で知り合った気の合う固定PTの四人で結成された身内ギルド「アレイキャッツ」に所属している。
「ルシアン」は、初心者時代の面倒を見ていた回復職の女性キャラであるギルメン「アコ」から異様に懐かれていて、
何度も何度も執拗にプロポーズをされて熱意に押し切られる形でOKしてゲーム内で挙式をし、
システム上は夫婦関係にある。
「アコ」の「ルシアン」への態度はガチっぽく見えなくもないのだが、
英騎=「ルシアン」は、リアルはリアル。ゲームはゲーム。
あくまでもゲーム内の夫婦プレイとして、現実との区別をつけている。
実は二年前に「ルシアン」は、ゲーム内の女性キャラの「猫姫」に本気で恋愛感情を持ち告白をしたのだが、
自分はネカマプレイヤー(キャラは女性でもプレイヤーは男性)だから無理!
男と結婚なんてありえない!と断られたことから、
と心の中で血の涙を流し「猫姫」がいた当時の所属ギルドを脱退した。
そして、傷心から時間をかけて立ち直るまでの過程で一つの真理に達した。
“ゲーム内で可愛ければリアルで男でも、いいじゃないか!”
“俺は直結厨になんか、ならねーぞ!”
ゲームとリアルは別物であり、キャラと中の人は一致しないのは当たり前。お互いにキャラを演じてる上での付き合い。
のめりこめば後悔するだけ。プレイとして割り切って楽しめば良いんじゃね?
ゲーム内で出会って一年ほどになる今のギルメン達とは一緒に遊ぶのが楽しいし、それで満足だった!
そのはずだったのだが、
『私 一応女の子ですよ?』
とギルドの身内会話で、ルシアンの上記の恥ずかしい過去の暴露を受けて嫁のアコが言い出した。
更にはギルマスのアプリコット(♂キャラ)もリアルJKであると主張する。
“いやいや!そんなんねーから!!ギルメンは全員男だろwwww”
と心の中で思う英騎=「ルシアン」ではあったが、
冗談だと思われ誰一人として自身のJKカミングアウトを信じて貰えないギルマスは思い立った。
じゃあ、実際に会ってみよう!ということで、ギルドアレイキャッツ第1回オフ会 が開催される運びとなった。
そして日を改めて待ち合わせ場所で顔を合わせてみると、なんと!全員が同じ高校の生徒だった。
ルシアン(♂)= 西村 英騎(♂)
アコ(♀)= 玉置 亜子(♀)英騎とは同学年で違うクラスの不登校気味の美少女。
シュヴァイン(♂)= 瀬川 茜(♀)英騎のクラスメイトで悪態をついてくる美少女。隠れオタク。
アプリコット(♂)= 御聖院 杏(♀)変わり者な生徒会長。一学年上。美少女。
男1:女3 という状況にナニコレ?
特に驚いたのが嫁キャラのアコがリアル美少女であり、
ゲーム内と全く変わらない態度で、本名でなくルシアンと呼んでベタベタひっついてくるという。
女に縁がなかった英騎には、彼女という立場を飛び越えた自称・嫁が出来てしまうという、
信じられない出来事の刺激が強すぎてドキドキしてしまうのだった。
【感想】
原作小説は未読で漫画は既読。
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』にそっくりなOPソングやら、
アニメのキャラデザが西田亜沙子風の量産型エコノミー版だったり、
アコが、ほんの少し藤和エリオぽかったり、
アニメが売れるようにと、色んな所に少しずつ寄せてるように見えた。
アコの、おかしな言動以外は特徴が薄いと言っても良いかもしれない。
エ○漫画か?てぐらいムチムチ具合が強調されているコミック版と比較すれば、
アニメでは漫画では頻繁にあるローアングルからのパン○ラ見せとか特になく、
露出度が若干抑えめか?と言えば、たわわにプルンプルン揺れまくってる、
胸部や太ももがなどが強調されまくっていて、やっぱりエロ方面向けなのか?
見せるときは見せるのは、思春期の青少年を釣る餌としては一定の効果が見込めるのかもしれない。
アニメの中で視聴者に対する、あからさまな媚びや微エロが存在するし、
天文学的な確率で主人公に都合の良い強引な導入部、ヒロインのアコのとんでも具合、
主人公の周りには女の子だらけという、やっぱりラノベって感じで狙ってるアニメなんだけど、
コメディとしてのネタやら装飾の中にあるストーリーは意外とマトモであり普通にラブコメしてると思った。
ネトゲという要素を恋愛やら人間関係に絡めているのだけど、
作中で一貫して一番大事にされているのはリアルでの人間関係であり、
何度も台詞として口に出している、
『ゲームはゲーム!リアルはリアル!』
ゲームはあくまでも遊びであり、プレイを通じたコミュニケーションツールに過ぎないという前提のストーリー回しであり、
ネトゲにハマりこんでおかしくなってる作中キャラに対してはシナリオ内でツッコミを入れるということが出来ている点で、
原作者の常識的な価値観・倫理観に基づいている作品であり、
ネトゲ内の過剰な感情移入は毒であることを客観的に扱っていたりで、
ネットゲーマーの勘違いを助長するような、ネトゲを現実から隔絶された異次元空間に別世界扱いやら、
現実逃避の癒し空間的な扱いやら、近頃の作品にありがちなことを全くしてないという点で、
正しく、純粋な娯楽としてのMMOを楽しんで欲しいみたいなメッセージを個人的には好ましく思った。
(そういう系統の異世界転生ものでも好きな作品はいくつかはあるが)
そもそもが原作者がラグナロクオンラインに思い入れがあるプレイヤーであったし、
LEAF(AQUAPLUS)で企画・シナリオをしていたシリーズ構成の高橋龍也のゲーム屋出身なりの拘りがあるのだろう。
この作品には重たいテーマ性も中二病心をくすぐるものも存在しない。
だが、某アニメのア○○クラッド編が単純にゲームとしての魅力が一切伝わらなかったのに対して、
こっちでは、昔MMOをやっていた自分から見て作中キャラのゲームをプレイする楽しさを、
アニメを通じて共感できたという点において非常に良いと思った。
終盤にてゲーム部分を重視した引き換えとして(原作は読んでないのだが)漫画であった現実世界部分の展開が、
尺の都合で表現しきれてないという残念な部分もあるのだが。
最終回の後にまだまだ続く物語にあるハウジング編とか、妹キャラに関するトラブル話とかが面白いので、
そっちもアニメ化したら観るかもしれない。2期があるかどうかなんて知らないけどね!
ということで、言いたいことを終える。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。