たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「君の名は」と同じ構造をしている。
orange!の原作コミックスは1冊100万部を越える大ベストセラーだそうで、全6巻で手短で週刊連載のような長いスパンではなくテーマを絞って映画的に売ったのがよかったのだと思う。
内容に関しては同時期に公開され大ヒットを記録した「君の名は」に近く、ジュブナイルSFということで設定を凝っているような感じではなく、非常にわかりやすく登場人物の心情を追う為に作られている真っ当な少女漫画である。
岡田麿里作品に近いといっても良い。
読者層がおそらく10代~20代前半の女性と括っている感じで、非常にヴィヴィッドかつ、作者もそれ以上を視野に入れていないので狭き門に感じる。
基本的に漫画読みが読むというのではなく、デートで映画を見に行く感じでライトな層に受けてる感じが非常に現代的で、それが年長者には薄く感じてしまうかもしれない。
青春モノなので、爆発的な人気は出るもののその後に繋がるような漫画ではない気がします。
補足:「君の名は」もそうだが、重要なのはどちらも「都内」ではなく所謂「地方」を舞台にしているところだ。描かれている高校の風景も東京のような人で溢れかえり、雑多で猥雑な何でもアリな感じではなく、綺麗な小川が流れていて山々に囲まれた西高東低とも言うべき「地方」が主である。「サイタマノラッパー」のような地方には地方なりの苦悩や閉塞感があるのだろうが、少女漫画では逆にそれが「人」と「人」の繋がりが濃く、男女の密接な関係と結びつけ易いので舞台としては適しているのだろう。都内のリアルな恋愛ではこういった描かれ方はされないはずだ。そういった意味ではこの大ヒットは首都圏を中心としてではなく、道府県に拡散した形で広まっているのではないかと思われる。