退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
エゴイストの物語
申し訳ない、
私は『ジブリ作品』を自らすすんで観る事がなく、
数えるほどしか観たことがありません。
『2000年代の悲しい映画10選』(だったかな?)に唯一、日本映画でランクインしていたので、観ねば!と思い…。
ちょっと癖のある作画。
木々や花、鳥などで四季、時の流れを表現する、日本らしい演出の数々、素晴らしい!
『竹取物語』を題材として、
『愛情と理由付けしたエゴのどうしようもなさ』
を伝えたいのではないか?と、私は感じました。
一番気になったのは、お爺さん。
初めは『娘』の成長を、愛情もって見守る『親』
だったのに…
『娘』を『姫』と呼ぶようになってから
贅沢な生活や、名誉に溺れていきます。
娘(姫)に良い生活、地位ある旦那様を、というのを『愛情』と考えるのは、よくある『間違い』
単なる自己満足ですよね?
お爺さんを筆頭に
まー、たくさんの『エゴイスト』な男性が出てきます。
『かぐや姫』に気に入られようと、平気で嘘をつく男性達。
(幼馴染みの『兄さま』には、ほとほと呆れましたよ。)
誰も『かぐや姫』の事を視ていない。
(お婆さんは…どうなんだろうか?唯一の理解者だったのかな?)
『かぐや姫』の瞳はどんどん輝きを無くし、人形の様な瞳になっているのに…
誰も気がつかない。
でも私は『かぐや姫』を可哀想だとは
全く思わなかった。
このお話は
神?天上人?の『人間を試す遊び』のお話だと思ったから。
その『遊び』に人間は負けた、それだけ。
『かぐや姫』は『竹の子』として、
自然の中で笑っていたかったはずです。
『竹の子』のままでいれたなら…天には帰らなかったのかもしれませんね。
高畑監督、美しき素晴らしい作品を残していただき、
ありがとうございました。
ちなみに(本当にどうでもいい話)
私が遊びを覚えた時につけていた香水は『エゴイスト』大人になってまとった香水は『アンテウス』
でした。