ちあき さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
リアリティを追求、引き込まれます。
当たり前のように過ごしている日常に突如襲い掛かる地震災害。それまで不満や退屈を感じていた日常が、実はとても有り難い平穏な日常だったことに気づかされます。
今まで当たり前にあったものが、突如として壊される。今まで当たり前にいた人が、突如としていなくなる。なくなって初めてその有難さ、尊さ、大切さに気づく。でも気づいた時にはもう遅い。その悲しみは本当に辛い……。
翻って考えると、今ある当たり前は本当に有り難いものだということもよくわかります。普段は日常の「当たり前」に隠れて見えない。見えないから、無いと思ってしまいがちですが、でもその見えない裏側にはちゃんと「有り難さ」があるだなと思います。
アニメの冒頭には「本作品は首都圏での巨大地震発生を想定し、膨大なリサーチと検証に基づいて制作されたフィクションです。リアリティーを追求し、十分なシュミレーションを経てオリジナルストーリーを構築しておりますが、演出上、実際のものと描き方が異なる場合があります」と表示されます。
リアリティを追求とあるように、私も観ながら、他人事ではなく、現実の自分の身に降りかかり得ることだと思い、作中に引き込まれました。同時に現実ということでもう一つ思うことがありました。
阪神大震災では自衛隊の出動が遅れ、またボランティア難民という言葉も生まれました。現場には想像を絶するほどの混乱があったと思います。それ以後、その反省から様々なことが見直され、その対策が練られました。
作中において災害発生一日目にして、自衛隊や消防の人達が災害現地に向かい、人々の救援にあたる姿。避難所がしっかりと機能し、救援物資が届く在り方。ボランティアの人達が支援している姿。自らも被災しているにも関わらず、助けてくれる人達の姿。避難時に誘導する声に随って動く避難者の姿。
作中におけるそれらの人々の姿を見ると、日本という国の災害時の対応が「すごい」と思います。実際の現実の報道だけでは、あまり考えられませんが、そういう人たちが支える日本という国の在り方は、他国では考えられないことだと思います。
で、実際に「自分がそのように動けるのか?」ということも同時に考えさせられました。
もちろん、そういう人達だけじゃなく、作中にも出ましたが、自分のことだけを考えて混乱を招く人達や犯罪を起こす人達がいるでしょう。でもそうじゃない人達がいて、助けてくれる人がいて、そういう支え合いが災害に対して個人個人が考えなければいけないことなのかもしれません。
災害時など、人間追い込まれると冷静さを失い、自分の事だけ考えて、下手すれば、犯罪を、もしくは犯罪に近いこと、混乱を招く事をおこしてしまうかもしれません。
でも、皆が大変な目に合った災害時だからこそ、冷静に、また他の人達との助け合える自分の在り方が必要なのかもしれません。人は一人じゃ災害に対してなにも抵抗する力はないんじゃないかと思います。そんな災害に対する心構えも考えさせられました。