DEIMOS さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
群像劇から感動劇へ。
第2期のうち、あすか先輩とのエピソードを中心に再編集した劇場版。関西大会以後、先輩の卒業までを描く。みぞれ先輩や麗奈との喧嘩などのエピソードは大胆にカット。なお、新規カットは序盤に集中。
主人公が、これまで苦手としていた、あすか先輩のユーフォニアムに対する動機を理解し、打ち解け、尊敬に至り、ユーフォニアムへの愛を再確認する、というお話。
響けユーフォニアムTVシリーズ第2期は、部内のゴタゴタ関連の小さなエピソードの積み重ね(群像劇)という印象があったが、劇場版では、あすか先輩のエピソードにフォーカスすることで、「ユーフォニアム」という本来のモチーフが有効に機能した感動劇に仕上がった。姉との和解によって、ユーフォニアムに対する原点の思いを確認するエピソードが相乗効果を持って、主人公の感情、ひいては、視聴者の感情の昂りに繋がる。
一部、時系列を入れ替えている演奏シーンがあるが、この演出は奏功したと言えるだろう。TVではカットされていた全国大会の演奏がしっかり挿入されていたのは、むしろ冗長。本作では、全員での演奏よりも、あすか先輩のソロにこそ、感動のピークがある。
劇場版第1作は、ダイジェスト感が否めなかったが、第2作は、これだけ見ても話がわかるように上手く編集されていた。演奏のディテールと、細かい動作で心理描写する丁寧な作画と、涙声での迫真の演技。平凡なストーリーを名作に昇華する京都アニメーションの力量はアッパレ!
2018年には関連する2つの劇場作品が予定されているが、なんと待ち遠しいことか!