退会済のユーザー さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
今ここにある“オレ”が“オレ”なのだ
王道のヒーローものの表現法に則りつつも,「意識とは」「身体性とは」という哲学的な問題も投げかけており,色々考えさせられるアニメだった。とりわけ,生身の「ケイン」よりも,Iマシーンにエヴァートランスした「イド」の方が本当の“オレ”なのだ,という見せ方をしているのは面白い(だからこそ,10話でマヤが生身のケインを間近で見て頬を赤らめるシーンは不要だったかなと思う)。
第10話のテンポの良さには仰天した。わずか十数分の戦闘シーンとダイアローグで背景ストーリーを語ったばかりか,「意識」「アイデンティティ」「身体性」と矢継ぎ早に問題提起をしつつ,最後はロケットパンチで締めくくる。リアルタイム視聴時には思わず声が出た。
村田蓮爾のキャラクター原案も素晴らしかった。彼のおかげで,「魅せる」アニメに仕上がっていると思う。
CGアニメの可能性を感じさせてくれる作品でもあった。村田蓮爾のほわっと丸い感じのキャラをCGであそこまで魅力的に表現できるとは。サンジゲンにはこれからも大いに期待したい。
惜しむらくは,12話の中で語りつくせなかったであろうものが多くあったということ。やはり日本のアニメは“クール(cours)”の軛から解放されなくてはならないだろう。