おんみょん さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
六畳ぐらいが丁度いい
四畳半神話大系・・・知る人ぞ知る隠れた名作。
最近、と言っても去年かな?夜は短し歩けよ乙女、の同じ原作者さんのお話ですね。そちらも機会があれば見てみたいです。
僕も今年で大学3回生ということもあり、主人公と年も近しく親近感を持って見ることができた。
独特な語りと絵が許容できれば最後まで見れる。この癖が強いなと感じた。
主人公は絵に書いたような陰キャ青年。今年で大学三回生になるが、これまでのキャンパスライフを後悔し、何度も何度もやり直そうとする話。
{netabare}1話から9話までが主人公の様々なサークルでの活動を見る回。パラレルワールド。話もどことなく繋がりがあってそこそこ面白い。が、物語一番の見どころは10話以降。してきたであろう様々な経験。当時思えばくそくらえな経験でも、孤独を知ってそれが幸せだったと気づかされる。なんて狭き四畳半だろうか。こんなにも近くに至福は転がっていた。
ラストのラストで小津の弱みをつかむ主人公の顔がいいですね。
最終話のEDとOPが逆転したのもオツ。
この物語の登場人物はどれも印象に残る一面がある。が、何よりも明石さんの唯一性。この物語のヒロインは私だぞ、と言わんばかりの風貌。登場シーンは少なかれど、主人公の肝心なシーンに必ず登場し、強い印象を残して去っていく。1~9話と主人公は別々の経験をしていても、明石さんの寄せては返す波のような想いがふわりと伝わってくる(主人公もまた然り)。
サークルの話で個人的に好きなのは5話。社会主義的思想で埋め尽くされた空間が自由的思想を苦しめている図がどこか恐ろしくも、これからの世の中を体現している様で面白かった。{/netabare}
話の流れというか、はぐらかし方が気に入った。肝心な箇所をあえて端的に話して、見てる側にだけ伝わるような演出。直接言葉で無くとも、感情が見て取れる。伏線の散りばめ方も自然で思わずほころぶ。
OPのアジカンが素晴らしい。主人公の荒波を明るいメロディーにのせて歌っている。
原作の小説も読んでみようかなと思います。気に入りました。おすすめです。