四畳半愛好家 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
私は彼女を赦せない…(原作未読)
名作と名高いエログロ・バイオレンス・スプラッター・ラブコメ?作品。
監督曰く「本質は差別と救い」。
原作未読。あくまで「アニメ版」の感想。
1話の衝撃的なグロさから、距離を置いていた本作でしたが、やっとこさ鑑賞。
名作と言われるだけあって、なかなか考えさせられる物語でした。
ただ、「コウタ」を中心にイマイチ共感できない人物が多かった気がします。
人間についても悪意ある描写が極端に多く「そんなに意地の悪い人間ばかりじゃないけどなぁ…」なんて、人間を少しかばいたくなったり…。「人間の業」を描いているので、これで良いのかもしれませんが…。
{netabare}
そんな業の深い人間の中で、ディクロニウスとの垣根を超えた「愛」を感じさせてくれた「彼」が特に好きなキャラでした。 {/netabare}
ともかく、感化される人間の多い「一見の価値あり!」な作品であるのは確かであり、グロい描写に耐性があるならば、鑑賞してみることをおすすめします!
以下ネタバレ付き感想詳細{netabare}
DNAの命令から多くの人間を殺してしまう彼女…。ディクロニウスへ抱く憎しみの一方、娘マリコやナナへの愛情から角沢長官の冷酷な命令に思い悩む研究員…。
一見の救いのない彼らの物語に、確かな救いがもたらされる…そんな物語でした。
ただ、基本的に描かれる人間たちが意地悪すぎる印象を持ちました。祭りで女の子が倒れていた時、邪魔だの、服が汚いだの、そんな馬頭を浴びせる冷血漢はそこまでいないと思います…。嫌な人間が多い世界観は「スクールデイズ」ばりです…。
逆に「コウタ」は、懐が深すぎると言うか、人間味が薄すぎるというか…全く感情移入ができません…。家族を惨殺した相手をすぐさま赦せるでしょうか…。自分なら、絶対に赦せないと思ってしまう…。これって「愛」とは違うと思ってしまう…。彼女が救われたのは良かったけども、「愛」ってそこまで万能でしょうか…。
ともかく、心理描写・人間描写にイマイチ説得力の欠けた印象を持ってしまった私ですが、「蔵馬」という研究員が行った行動こそ「愛」であり「救い」だと思いました。「ナナ」を殺せずに逃がすところもそうですが、娘「マリコ」と和解し、つかの間の時を温かく抱きながら2人で最期を迎えたシーン…悲しい場面ですが、苦悩していた彼がやっと救われたシーンだと思います。
一番人間臭くて、一番感情移入できるキャラクターでした。
あと「ナナ」が萌えます!研究室で酷いこと沢山されているのに、人間に対して優しく接することができる理由が不明確ですが…。ともかく残酷な世界観の中で、彼女の存在が癒しであり、戦闘のたびに心から「死なないでくれ!」と願えたキャラでした。
ついでに最終回ED後に「ルーシー」らしき人物が玄関前に立つシーンで終わりますが、個人的に彼女は殺されていないとスッキリしない気がしています。(人でなしかよ…。)
少なくとも彼女は罪のない人間を殺しすぎです…。良心的な人間だってたっっくさん殺しているわけです…。人間とディクロニウスの垣根を超えた絆がコウタとの間にあったとしても、今までに重ねてきた罪は拭いきれないし、償いきれるものではないと思うんです…。それこそ殺される以外には…。
その他
OPは作品に合っていて、素敵です。
作画は非常にグロいので、好みがわかれます。ちなみにエログロ言われていますが、エロくはないです。残念ながら。
{/netabare}