ぱくちぃ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
神アニメ
やはりジブリはすごいなぁとつくづく思わされました。商業的作品というより芸術的な作品のように錯覚するほど緻密で、完成された作品だと思います。
特にすごいなとおもったのは節子の描写です。
動きの一つ一つが、現実の幼児の深い観察に基づいて描かれていて、兄への思慕が非常に伝わってきます。声優が5歳くらいの女の子だというのにも驚きです。
{netabare} 私はこの物語は、理想と現実の葛藤の物語だと思いました。勿論反戦のメッセージも感じました。(作成陣は反戦映画ではないといっていたそうですが)
清太は、西宮のおばさんの家で、現実的な、苦しいことに耐えながらも誠実に生きていくよりも、壕で節子との2人の楽園で生きようとしました。生きるためには、西宮のおばさんに土下座をしてでも謝って戻るべきだったのです。しかし清太は理想に生きようとしました。故に2人は死にます。
最後のシーンで清太が現在の摩天楼群を見るカットが入りますが、2つの捉え方ができると思います。
一つ目は、現代社会でもこのような問題があるのだということ。
二つ目は、「忘れ物を届けにきました」というキャッチコピーの通り、戦争などを忘れて繁栄している
現代人への、このような兄妹が現実に居たんだよというメッセージ。
私には正解はわからないですが、最後のシーンではかなり泣いてしまいました。{/netabare}
一度は見たほうがいいアニメ映画なのではないでしょうか。