「偽物語(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
6966
棚に入れた
31504
ランキング
60
★★★★★ 4.1 (6966)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.3

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hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

偽物?本物?そんなもん特例を認めている主人公たちに吟味する資格など無い!(偽物の定義について追記)

6話までの感想

今期一番の話題作ですが、自分には今ひとつ面白さが理解できない作品でもあります。
原作は勿論読みました。というか原作読んでない人は読んだ方が良い。6話まで見ましたが、原作を理解せずに見て楽しいアニメでは無いというのが率直な感想です。
何分1クールなもんですから(多分)、尺というものを考慮しなければいけない。その限られた時間の中で原作の内容をどれだけ含ませる事ができるか。
普通のアニメならこれらの条件は普通なんですが、化物語や偽物語の場合原作に存在するトークを含ませなければいけない。このトークと本編との時間配分が難しいのが今作品。

そして、6話視聴後の感想としてはちょっとトークが多いかな・・・?
というより本編の進みが遅い。
個人的には貝木が繰り広げる偽りの世界観というものをどう描写するのかが楽しみだったんですが、まだそこまでたどり着いてませんね・・・(´・ω・`)ガッカリ…

まぁこれから本編の進みが速くなることを祈っています。


最終話まで視聴しての感想

もろ期待値の下を行きました。まぁなんといっても戦闘シーンが少なすぎるし、内容も浅い。終盤は明らかにこじつけた感が否めない。

私のレビューは基本具体的に作品テーマを探求する様な内容にしているのですが、私自身がこの作品をあまり好きでない為深くは語りません。
まぁでも、基本的な問題点だけは上げておきます。

タイトル通り偽物の話なんですが、う~ん、暦のエゴから来る結論を視聴者が正当化できるかどうかに懸かっていますよね。
暦の言い分は「主観的観点から見て、その物質または物体が偽物で無ければそれは偽物では無い。また、客観的に見てその偽物が悪影響を与える場合でも、そこから生じる非難を己が被ることで問題を収束出切る。これは、肉親だから行える特例」でした。
要はこの作品、特例だから完結したみたいなもんです。しかし、自分勝手な言い分ですな~。暦のどこに他者の存在定義を決定する権限があるんだ。あ、そうか、それが特例か・・・。
この作品を見て「考えさせられた」とか言ってる人は多分何も考えてない筈です。
こんな特定条件で物語が成立するのは、ラブコメディーか萌えアニメだけです。いや、今回の場合蕩れアニメか。

概念や思想に問題提起するような作品は、常識をベースとします。その常識はその作品内で定義すれば良い。
しかし、今作品の常識は極めて我々一般人が持っている常識と同じ。その条件化で特例をテーマに持ってくるのはこの作品が単純である証拠です。

しかし、この単純な物語も視聴者の頭を使えば興味深い内容にならなくは無い。例えば貝木が提示していた「偽物は本物より価値がある」という論です。
彼の言い分はこう。「偽物は本物より本物になる為に努力をしているから偽物の方が価値がある」
まず、疑問を掲げるならこの二点です。
・偽物は本物になる為の努力をしているのか
・努力で価値が決まるのか

一つ目の疑問に関しては深く考えない方が良いかもしれませんね。ややこしくなりますからw簡単に説明すれば「偽物には偽物になることで得られる利点がある」ことを証明してしまえば貝木の定義を論破できる訳です。
例えば中国の色々なパロディー。あれらはホント法律スレスレのレベルでコピーしていますが、パロディーだとわざと消費者に理解させることで客を引き寄せることが出来る利点がある。具体的に言えばiphone5みたいやつです。
実は私もその手に弱い人間でして、中国系スーパーに行ってはポッキーやコアラのマーチのパクリを買って味を食べ比べしたりしてしまいます(;^ω^)

二つ目は簡単ですね。「結果が全て」ということを証明できれば貝木を論破できる訳です。
これの例など山ほどあります。仕事、宿題、人間関係。「結果論」を重視している現代社会に置いて、プロセスなどあまり意味を持ち得ない。


っとこういう風にフレーズフレーズをもぎ取って考えていく面では面白いかもしれません。
しかし、前述したように、作品の全体としてはあまりにも残念。最終的結末(原作読んでるから知ってますけど)をもうちょっと何とかして欲しかったですね。

端的にまとめましょう。
全てが中途半端。以上

追記 3/18/12
私の兄と「偽物は本物より価値がある」ということについて30分程語り、その内容をここに示しておきます。
まず、偽物は本物より価値がない、とは断言できないということでした。
そもそも、私の偽物に対する定義は違っているとのことですw
偽物とは、本物に偽ようとした物。中国のiphone5の例をあげましたが、現在市販されているアンドロイドもアップルのiphoneの偽物と認識することができる。
偽物とは本物に出来るだけ近いもの、では無く、偽て作られている物。これが定義です。

さて、ここからは、偽物の方が価値がある、という事の証明を。
生物学的観点から言って進化の過程でもっともエネルギーを使わずに進化して来た生物こそが勝者であり、価値があるとされます。
ここで一つ例。
アメリカに毎年春から夏にかけて集団で南下するオレンジ色のオオカバマダラという蝶がいます。彼らは鳥から食べられるのを避ける為、身体を苦くした。
そして、別種類の外見がそっくりの蝶が存在します(カバイロイチモンジ)。彼らはオオカバマダラに似せる事で鳥からの攻撃を阻止します。
オオカバマダラを本物とするならば、カバイロイチモンジは偽物です。しかし、どちらの方が進化の過程において価値があるかと問われれば、似せることしかしていないカバイロイチモンジの方が価値があるのです。
要は、端的に本物の方が/偽物の方が価値がある、などと断定することは無理ということでした〜w

投稿 : 2012/03/21
閲覧 : 464
サンキュー:

34

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