しゃあろ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
賛否が分かれそうな作品
みておもしろくなかった、となる作品ではないとは思うが、ストーリーの中で気になる点は少なくなかった。
母の無償の愛のようなものをテーマに設定されているのか、あまりにもそれに従順に進めていきすぎて変な齟齬や、描かれない大切な場面などがあったように思える。
特にレイシアにまつわるものでは、そういった弊害があったように感じる。例としては、グリムに対して子どもがいるからと王宮からの脱出を断っているにもかかわらず、終盤では割とあっさり子どもに別れを告げていることが挙げられる。(しかもあの場面では、子どもは自殺以外の選択肢がないように感じる)
エリアルが父になるまでの葛藤ももう少しあってもよかったのでは、と感じてしまう。母であるマキアが好きだったが半ば喧嘩別れして、リタと結婚して子どもを授かったら無償の愛パワーでマキアよりリタ達を優先するようになる、というようなうがった捉え方もできてしまう。
子どもへの無償の愛との対比に恋人への愛を引き合いに出すことが逆効果だったように思える。無償の愛を引き立たせるあまり、グリムが闇落ちするのは本来の意図するところではないと思える。
あまりにもレイシア関係がバッドエンドすぎて救いがなかったことに尾を引いてこのような評価になってしまったが、マキア関係では涙が出る場面もあった。作画も非常に凝っており、作品に引き込まれるのは早かった。