バンバン さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
2010年代のロボットアニメの星
2月頃になって知り、1話から一気に視聴しました。
作品のテーマの1つに「性」があり、それを匂わす描写が随所にあるため人を選ぶアニメではあります。以下に個人的に良いと感じた点をいくつか。
作画レベルが高く、特に6話の戦闘シーンは圧巻でした。非戦闘シーンでもさりげなく高い作画レベルを披露。物語の進め方や伏線の張り方もていねいに考えられていると感じます。日常回でも不穏さを漂わせ緊張感を保ちつつ伏線を張り、ただの日常回にしない点もgood。4話、6話の王道展開には胸を熱くすること間違いなしです。
声優の演技も光ります。特にヒロイン、ゼロツー役の戸松さんははまり役でしょう。キャラの表情描写がそれに負けていないところも素晴らしいです。これらが作画・ストーリーと相まってそれぞれのキャラを魅力的なものにしているので、群像劇の要素も強いです。
ここ最近のロボットアニメとしても、TVアニメとしても非常に高いレベルといえるでしょう。ボーイミーツガールものとして主人公とヒロインの絡みを楽しむことも、登場人物の発言や設定・描写から世界観の考察を楽しむこともできます。すでに様々な伏線が示されており、これがどう回収されてストーリーが盛り上がっていくか、大いに期待です。
4/27追記
15話まで視聴。見ている方が恥ずかしくなるぐらい王道の真ん中を突き進んでます。主人公周りの人間関係が一段落したので、いよいよこの世界の核心に迫る感じでしょうか。相変わらず安定したハイクオリティで、これからも目が離せません。
6/10再追記
20話まで視聴しました。個人的にはガイナックスのロボットものの演出だけど展開はエウレカセブンという感覚。そしてアーサー・C・クラークの初期のSF作品(幼年期の終り、都市と星)の要素も見えます。伏線を回収しつつ物語のスケールが加速度的に膨れ上がる回でした。この辺の急展開には賛否・好き嫌いが分かれると思います(個人的にはこのジェットコースターは嫌いじゃない)。ここからどう最終決戦を締めて、どんな着地点を見出すのか目が離せないところです。
7/9再々追記
全24話、完結しましたね。すごく楽しめました。ラストにはある種の神話的な美しさも感じました。不満点もなくはないです。例えば、このアニメにはもっと放送時間を与えるべきだったのではないかと…
今振り返ってみると、全24話一気に見た方がこのアニメは楽しめるし深く感じられるのではないかなと。人間関係の変遷と登場人物の成長がちゃんとわかりますしね。そして確かにダーリン・イン・ザ・フランキスはロボットアニメでした。何と言っても戦うためだけの存在である主人公たちコドモがロボットそのものです。そんな彼らが戦い以外の意義を自分の生に見出し新たな地平を開くのがこの物語だったと思います。
それを導いたのが自己中心的な主人公、ヒロだった点も外せないと思います。自分の大切な存在のためだけに好き勝手やらかす主人公に憧れ振り回されて13部隊の面々は成長したんですから。自分の好きなように生きるのは周りには迷惑でもあるけれどカッコいいものでもあります。そういうちょっと新しいヒーロー像を見せてくれたところは、スタッフとキャストの皆さんに感謝したいものです。