タマランチ会長 さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
子どもの我儘を毅然とした態度で止めるのが大人の役目
日本映画専門チャンネルで観ました。
14年の作品。北方領土の色丹島からソ連軍に追い出された家族を描いています。北方領土がどのようにソ連にとられちゃったかがよく分かります。が、そういう政治色を強調したわけではなく、占領軍の家族との交流や、行き倒れになったときに助けられたりと、ソ連の人たちとの温かな触れ合いが描かれています。銀河鉄道の夜と絡めた展開をガッツリファンタスティックに演出した画面は見事でした。
後半、収容所にいるお父さんに会いに行くために、幼い兄弟が命がけて峠越えをするわけですが、こんな無茶は大人が止めなくちゃいけません。しかし、そんなワガママに大人が同調し、機関銃で撃たれたり、行き倒れになったり、まさに命を落としかけます。運よく収容所の親切なソ連人にたすけられたからいいものの、これが元で幼い弟が命を落とすわけですが、おじさんも担任の先生も「ああ、しんじゃったのか、しょうがないな」と言わんばかりの態度なのがすごく違和感を感じました。あんたら大人が止めなかったから弟は死んじゃったんじゃないの?責任感じないの?と。
「ののなななのか」(実写映画)「この世界の片隅に」と比べると、個性が乏しく人に勧めるにはイマイチですが、良作ですので領土問題のキッカケとしてならおススメです。(←あまりほめてませんね。まあまあいい作品なんですけどね。)