一言 さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
シャフトの演出が合っていないように感じる
一言で言えば、演出が惜しい将棋+人間ドラマなアニメ。
15歳でプロ棋士になった主人公を軸に人間ドラマを描いているアニメです。
将棋アニメというより、主人公の内面に着目してあるので、将棋の熱い戦いを期待している人にはおすすめできません。
ちょっと違うかもしれないが、近い作品で例えるならやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。系。
ラブコメでも萌え枠でもないのだが、キャラクターの内面を書いたり、人間ドラマというか、人のどろどろした部分や温かい部分、そういう細かい描写に重きを置いているという点で近いです。
作画も大変綺麗で安定している。エンディングも主人公の雰囲気に合っていて、とても良い。
ただ、おすすめするかしないかは、ちょっと判断できかねる。
自分は将棋のルールを知らないのですが、人間ドラマ系のアニメが好きなので、ストーリー展開には満足しています。
長いのでちょっとダレてしまう・テンポがよくない回もありますが、まあ人間ドラマを描く作品にはよくあることでしょう。そこも不満はない。
雰囲気も好みだなあと思ったんですが、タイトルの通り、個人的にシャフトの演出が作品に合ってないように感じる。
原作を未読だからなのかもしれないが…少なくとも自分はストレスを感じるくらいには合ってないと感じる。
雰囲気的真面目な話でも、唐突なギャグを入れられると拍子抜けするというか、鬱陶しく感じる回が結構あった。
根本的にシリアスとギャグのテンポが合ってない。
というより、急なギャグについていけない。
(しかしそれこそがこの原作通りであり、キャラクターの内面をうまく出していると言われてしまえばそれまでで、自分の好みの問題かもしれない…)
また、効果音を喋る演出がしつこい。
そしてギャグのときのキャラクターの言動がくどい。
特に猫たちの会話劇は話の流れの邪魔になってストレスに感じる。
なんだろう、過剰すぎる演出というべきか。
ギャグをしてもいいが、タイミングを考えるべきだと思う。せっかくのシリアスな雰囲気が壊れてしまうし、シリアスなムードに入っているのに急なギャグが入ると、スベっている感が否めないし、なによりついていけない。台無し。
きっと漫画で読んでいたら『急なギャグ』ではなく、シリアスをちょっと和らげるギャグ、程度でそこまで気にならないのかもしれないが、声優の演技とシャフトの演出が入ってしまえば話は違う。
せっかくできたシリアスな世界観がぶち壊されてしまうのでストレスになるし話についていけなくなる。
主人公、躁うつ病か?と思うほど。
演出のせいもあるのか、全てにおいてうるさくしつこく感じる。
シャフトが嫌いなわけではない、むしろわりと好きなのだが、この作品には絶望的に合ってない、噛み合っていない。
完全に蛇足になっている、余計になっている…。(そもそもこの作品におけるキャラクターの感情の動かし方自体がこのようであるのなら、シャフト云々でなく、この作者のキャラクターの動かし方が自分に合っていないと言えるかもしれない)
主人公が基本真面目なので、ギャグパートだとキャラ崩壊もいいところ…と思ってしまう。
ただ、原作を読んでいないので、これがこの作品のキャラだ!と言われたら、ただ単に自分には合わないのだと思う。
しかし、主人公がどうなっていくのかは気になるし、人間臭いな島田開というキャラクターに魅力を感じるので、二期もみてみようかなとは考えています。